SNS内では安倍晋三の批判を繰り広げても、居酒屋で政治問題を議論する姿など、見たことがない。
ワシにしたところで、場をしらけさせるだけ、なんて考えて話題として政治ネタを持ち出すことはない。それだけではない。家庭内でも、職場でも、井戸端でも、日本人は政治を語らない。
にもかかわらず、選挙の時だけは「優秀な選挙民」たることを装う。なんと不思議な人々だろうか。普段、考えもしないことについて、選択できるはずがない。
12月1日に記事をアップして以来、放置状態のワシのブログ。これから先も同じ状態が続くだろう。
皆さんのことは知らないが、少なくとも、ワシ自身は偽善者だ。さも、日ごろから日本の政治について考えているような記事を書いて、その実、身近な人々と安倍シンゾ夫婦のアホさ加減について話すこともないし(たまに、ごく限られた人々の集まりでは話すことはありますが)、籠池夫妻が不当にも4か月にわたって拘留されているということについて話すこともない。
つまり、日本人の多くが、日本の将来について選択する知識もないし、資格もないといった方が良いのである。
そんな思いで、この3週間ほどを過ごしてきました。
その思いを、バシッと見抜かれたような番組があったんです。
政治ネタが話題 冠番組終了のウーマン村本“圧力騒ぎ”の顛末
2017年12月26日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL
ネットテレビ局AbemaTVの冠番組「土曜TheNIGHT」が23日、急に最終回になったことについて村本自身がツイッターで「私事で番組にご迷惑をかけることになり、自分から(降板を)申し出ました」と書き込み、ネット上で大騒ぎとなった。
「(村本に対する)圧力が働いたのか」「怖い」「村本大丈夫か?」――などの反応が相次ぎ、さらに村本が「記者さま。今夜スタジオに見学に来ませんか」と呼びかけたので、騒ぎは過熱。フジテレビ番組でのネタの内容について「よく言った」「笑いに政治の話はいらない」といった賛否を巻き起こしている中で、降板を求める政治的な“圧力”が働いたという臆測が流れたのだ。
ところが、村本は生放送で「村本に官邸の圧力は働きません」とキッパリ否定。記者に見学を呼びかけたことについて「すぐに陰謀論や圧力を唱える人をあぶり出したかった」と説明した。結局、視聴者だけでなく、メディアも村本の“逆陰謀”にはまったということらしい。
■政治ネタで“騒動”の異様
まったく人騒がせなことだが、まあそもそも村本が「政治ネタ」を扱っただけでこれほどの騒動になることが異様ではある。
タレントの松尾貴史(57)はかつて日刊ゲンダイのインタビューで「芸人も俳優も歌手も、みんな税金を払って生活しているわけです。なぜ政治に対して意思表示してはならないのか」と疑問を投げかけていた。
生放送終了後の未明、記者の取材に応じた村本もこう言った。
「例えば、アメリカのスタンダップコメディーは、政治や宗教をネタにして爆笑を取っている。それだけ政治が日常に浸透しているんでしょう。日本では、『原発』や『基地問題』といったワードを出すとお客さんの顔がこわばる。芸能人がもっと普段から政治の話をテレビとかでしていれば、記者さんも集まらなかったでしょう。発言力のある人間が『黙る』のは一番の悪なんです」
最終回となった理由については「来年留学に行くため」だという。
この二人のお笑い、実に、鋭い。
原発、沖縄、忘れられる熊本をネタにして、お客さんをドンドン引き込んでいく。大笑いを取った後で、「お前たちのことだよ!」ととどめを刺して引けていく。
報道ですら忖度する日本で、お笑いで政治ネタをやるこの二人の根性は並大抵ではない。
政治ネタをあつかわないどころか、報道記者から芸人まで政治家と食事をして、その話題で持ちきりになる。そんな日本で、純粋に、政治の犠牲になっている人々の立場に立ったネタで笑いを取っている。素晴らしい。
経済指標と就職先のことしか頭にないアホな日本の若者も、少しは目覚めるかもしれませんね。
もちろん、政治ネタをやれと言っているのではありませんよ。
芸人が、どのようなネタで笑いを取ろうが、笑いを取っていることに変わりはありませんからね。
ただ、報道記者まで忖度する日本で、あえて、政治ネタに切り込んだ「ウーマンラッシュアワー」というコンビが素晴らしいな。その勇気と、ネタの構成の素晴らしさと、弱者の立場に立つという基本姿勢のすばらしさについて意思表示をしないといけないと思った次第です。
じゃあ。
皆さん、良いお年を!