「今頃?」と言うタイミングで東電の第三者委員会の報告書が出された。それだけなら、さして注目もされなかっただろうが、とんでもない内容が含まれていた。
<炉心溶融使うな>官邸指示?枝野氏が反論
東京電力福島第1原発事故で、当時の首相官邸が「炉心溶融(メルトダウン)」の言葉を使わないよう東電に指示したと推認されるとした東電の第三者検証委員会の報告書を巡り、当時官房長官だった民進党の枝野幸男幹事長は17日、報告書の内容に強く反発した。参院選応援で訪れた福島市で「指示したことはない」と関与を全面否定した。
枝野氏は記者団に対し「(報告書で)東電社長と面談したとされる3時間前、(官邸での)記者会見で炉心溶融の可能性に言及した。(その後に使うなと指示する)こんな矛盾はない」と強調。検証委は東電関係者への聞き取りしか行っていないとし「独立性に疑義がある」とした。
枝野氏は「東電や検証委の弁護士に対して法的措置も含めた対応に着手する」と説明。「恣意(しい)的な報告は選挙妨害の疑いがある」と語った。その後の演説会では「事実と違う話を認めるわけにはいかない」と訴えた。
根本匠会長(衆院福島2区)と吉田栄光幹事長が東電本店などを訪問。議員会館で菅氏と会った吉田氏は福島市内で記者会見し「東電と当時の政権の見解に食い違いがある。県民を翻弄(ほんろう)しないで真実を明らかにしてほしい」と語った。
東電は17日、担当者が福島県庁を訪れ、報告書を説明した。応対した県原子力安全対策課の菅野信志課長は「(炉心溶融など)都合の悪い言葉を使わない会社としての体質があったと言わざるを得ない」と批判。会社として継続的に事実解明に取り組むよう求めた。
内堀雅雄知事は「重大な情報が社長の指示で公表されなかったことは県民の気持ちを無視しており、極めて遺憾だ」とのコメントを出した。
最終更新:6月21日(火)17時6分
おそらく選挙を意識しての大騒ぎなんだろうが、その前に、報告書をキチンと読んだのだろうか?
福島第一原子力発電所事故に係る通報・報告に関する第三者検証委員会
委員長 田 中 康 久
委 員 佐 々 木 善 三
委 員 長 﨑 俊 樹
検 証 結 果 報 告 書<一部抜粋:シカリ>
第6 「炉心溶融」に関するその他の事情
1 東電が「炉心溶融」を認めた経緯
⑴ ア 東電本店で、記者を集めてのプラント状況の説明会が平成23 年3 月中旬頃から毎日のように行われ、同年4 月からは記者会見も開かれたが、東電は、「炉心の溶融の可能性は否定できないが、具体的な判断材料が乏しい」(同年3 月28 日)、「ペレットが溶け出している可能性は低いと思われるが、確定的な話はできない」(同年4 月8 日)などと言って、炉心溶融の有無については具体的なデータが乏しいので判断できないと説明していた。
イ 平成23 年4 月10 日、保安院は、経産大臣からの指示に基づき、炉内状況を説明する用語の整理と炉内状況の分析に着手した(政府事故調中間報告書)。同日、保安院情報分析室の職員から、炉心の状態について認識を合わせたいので来てもらいたいとの要請があり、東電本店の原子力設備管理部の社員が出掛けていって、炉心の状態についての協議をしたことが認められる。その社員は、当第三者検証委員会のヒアリングに対して、「その話の中で、保安院側から、炉心溶融の定義について議論したいという話が出た。その際には、技術的、術的な意味での炉心溶融の定義について議論が行われたが、原災法の施行規則や原災マニュアルの話は全く出なかった。さらに同日、経産大臣に呼び出されて、炉心損傷や炉心溶融の説明を行ったが、経産大臣から、炉心溶融という言葉はあまりはっきりした定義がなさそうなので、燃料ペレットの溶融ということにしようという話があった。」旨述べている。そういう動きを受けて、同日20 時15 分、東電本店緊急時対策本部の官庁連絡班から情報連絡班に発信用紙が送られた。その用紙には「経産大臣からの指示事項」として「今後の説明及びプレス等にて『炉心溶融』という言葉は使
【注】保安院は、前記のとおり、その炉心損傷割合の意味するところを理解していたはずであるからである。また、その当時、官邸には保安院職員が常駐していたのであるから、官邸もその炉心損傷割合の意味するところを理解することは可能な状況にあった。
わずに『燃料ペレットの溶融』を使うこと(以後統一すること)(理由)『炉心溶融』はチャイナシンドローム等炉心全体が溶融していることを連想させるため」と記載されていた。そして、この発信用紙は、情報を共有するため、すぐに、福島第一原発、福島第二原発、柏崎刈羽原発等にファックス送信された。
この報告書では、東電の社員が経産大臣に状況と用語の説明を行ったようだが、双方理解点に至ったのかどうかわからないが、経産大臣は「あまりはっきりした定義がなさそうなので」ということで、「燃料ペレットの溶融」という話が出てきた。
これを受けて、他の東電の官庁連絡班(の担当者の解釈で?)から情報連絡班(現地の?)にファックスを送ったわけだが、そこに「経産大臣からの指示事項」と記載してあったとのこと。
ところで、重要な部分に割って入ったような注釈がなされているが、この部分は報告書では、注釈番号が振られ、色付けがされていました。【注】は、シカリさんが表記したものです。
「・・・炉心溶融と言う言葉は使ここに差し込みわずに・・・」という文章に割り込ませているのである。いかにも不自然な表記方法である。シカリさんが推測するに、公表前に安倍官邸に相談した際、安倍官邸の指示でこの注釈が差し込まれたのではないかと思いますよ。なにせ、福島は安倍晋三のコントロール下にあるんですから。
ところで、この第三者委員会には最近、皆さんの耳目を集めたお方が含まれているのに気付きましたか?
佐々木善三
舛添君をかばおうと躍起になっていたヤメ検の弁護士さんですね。このお方の最近のお仕事は、次の通りですよ。
て、猪瀬の弁護を担当。猪瀬氏は有罪に。
係る第三者委員会の委員長。小渕は説明責任を果たさず。
2015年~ ・・・・・日本歯科医師連盟の法律顧問。同連盟の「迂回寄付」を巡る
政治資金規正法違反事件で、同連盟前会長の弁護を担当。
上記以外にも、トヨタのジュリー・ハンプ常務役員が麻薬を持ち込んだ時の弁護を受け持ち、国外逃亡を手助けした人物。どのような人脈のお方か、よ~~~くわかると思います。
ところで、上の報告書だが、当時の官邸関係者には一切聞き取りを行っていないとか。なんというずさんさ。普通なら調査できなかった部分は記載しないものだが、この報告書では、あえて記載している。
こんなずさんな報告書を政治的に利用しようと考えた安倍官邸。もう少し、前後の調査をすればよかったですね。
この東電職員と経産大臣らとの協議が行われたのは、平成23年4月11日。当時の官邸の認識を示す画像があります。
画像の日付を見てください。「2011年3月14日午後9時26分」となっていますよ。
選挙の前になるといろんな情報が出てくるのだろうけど、これほど露骨に特定政党と大企業が手を組んで野党攻撃する事態も珍しい。いや、気づかないだけかもしれませんね。こうした情報を知らず知らずのうちに刷り込まれているんだと思うと、腹立たしい。
ブログ村「離島情報」に登録しています。
応援クリックよろしくお願いします。
↓