国民の命も守れず、守ろうという意識すらない安倍内閣
バングラデシュからテロの犠牲になった日本人7人の遺体と家族らが5日朝、羽田空港に到着しました。
バングラデシュを日本時間の4日午後11時半ごろにテロで犠牲になった7人の遺体と家族らを乗せて出発し、5日午前5時49分に羽田空港に到着しました。空港には、岸田外務大臣や外務省幹部らが出迎えました。政府専用機からひつぎが降ろされた後、献花をして黙祷(もくとう)が捧げられました。遺族らは政府専用機で出発する3時間前に、襲撃されたレストランを訪れ、犠牲者を悼んで献花をしました。また、テロの現場や周辺の状況も確認したということです。7人の遺体については今後、空港で検視を行い、その後、病院で司法解剖が行われる見通しです。
多くの日本人が巻き込まれたバングラデシュでの人質事件を受け、安倍晋三首相は2日に予定していた北海道での参院選遊説の日程を取りやめ、国家安全保障会議(NSC)を開くなどして危機対応に当たった。
ただ、菅義偉官房長官は対応を萩生田光一官房副長官に委ね、選挙応援のため新潟入りし、野党の一部からは批判の声も上がった。
事件を受けて菅長官は午前8時半に首相官邸で緊急の記者会見を開き、状況を説明。首相も同9時すぎには官邸に入り、状況把握に努めた。首相は3日に予定していたサッカーのイタリア1部リーグ、ACミランの本田圭佑選手との対談も取りやめる。
一方、萩生田、世耕弘成両官房副長官や西村泰彦内閣危機管理監が官邸に詰めていたことから、菅長官は2日午後から新潟に入り、県内2カ所で街頭演説を行った。
菅長官は夜に官邸に戻ったが、民進党の江田憲司代表代行は横浜市で記者団に「『首相がいるからいいだろう』と言いだしたら官房長官は要らない。極めて異例な行動を選挙のために取っている」と菅長官の不在を批判。同党の枝野幸男幹事長も岐阜県大垣市で「こうした状況で、情報の結節点としての官房長官は、余人をもって代え難い立場だ」と語った。
共産党の志位和夫委員長は川崎市で、「危機管理の責任者が官邸を離れるのは非常に重大な問題だ。人命優先と言いながら選挙優先だ」と非難した。
これに対し、菅長官は同日夜の記者会見で「首相が官邸に残って陣頭指揮を執り、私の代行には副長官を置いた。日本政府としてやるべきことは全てやれる状況にして行った。全く問題ない」と強調した。