江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

オバマ演説を、どのように評価すべきか。









短いスピーチをするだろうとの事前情報とは裏腹に、17分にも及ぶ演説は、被爆者や広島市民だけでなく多くの日本人の心を打ちましたね。






さらには、日本国内だけでなく海外のマスコミの評価も上々。シカリさんも、あの気高い演説に心を奪われました。と同時に感じたことは・・・・。








オバマ大統領広島訪問 およそ17分に及ぶ、歴史的なスピーチ


フジテレビ系(FNN 528()114分配信


 現職のアメリカ大統領として初めて、オバマ大統領が広島を訪れた。
平和公園を訪れ、原爆慰霊碑に向かう、オバマ大統領。
 安倍首相と言葉を交わしながら歩いている時の厳しい表情からは、決意のようなものがうかがえる。
 そして、初めて現職のアメリカ大統領が、原爆慰霊碑の前に立った。
 原爆の犠牲者たちに、花をささげた大統領は、スピーチを行った。


オバマ大統領「よく晴れた雲のない朝。空から、『死』が舞い降り、世界が変わってしまいました。閃光(せんこう)と炎の壁によって、町が破壊されました。わが国のような、核保有国も、恐怖の論理から逃れ、『核兵器のない世界』を追い求める勇気を持たなければなりません。私が生きている間には、この目標は達成できないかもしれません。しかし、たゆまぬ努力で、迫り来る大惨事の雲を晴らすことができます」と述べた。


 オバマ大統領は、被爆者も見守る中、彼らが71年前に失った、かけがえのない日常に言及した。


 オバマ大統領「だからこそ、私たちは、広島に来るのです。そして、自分の愛する人々に、思いをはせるのです。朝一番の子どもたちの笑顔。愛する人と食卓を囲む、安らぎのひととき。両親からの抱擁。そのかけがえのない瞬間が、71年前のこの場所にもあったのだと思い知らされます。人々は、戦争を望んでいません。科学の力を、人々の生活を消し去るためではなく、向上させるために使ってほしいと思っています。各国のリーダーたちが、その選択をしたときに、広島の教訓を生かすことができます。きょう、この町の子どもたちは、1日を平和に過ごしています。尊く価値あるものです。そして、それは、全ての子どもたちに与えられるべきもので、それは、わたしたちが選択できる未来です。広島・長崎は、未来にわたって、核兵器の夜明けではなく、道徳的覚醒の始まりとして、記憶されるでしょう」と述べた。


 オバマ大統領のスピーチは、当初、数分とみられていたが、およそ17分に及んだ。
 歴史的なスピーチは、まだ未明のアメリカでも、生中継で伝えられた。
 安倍首相の演説後、被爆者代表の坪井 直さんと言葉を交わした大統領は、広島に来てから初めて笑顔を見せた。
 坪井さんは、どんな話をしたのか。
 坪井さんは「人類の幸せは、未来志向がどうなるかによって(変わる)。そんな話をしたんですよ。その時に、チェコプラハでやった、あなたの『核兵器のない世界を作ろう』。そのことはね、今もわたしに脈打っていますよと。だから、あなたが、(来年の)1月に辞められても、広島へ来てくださいは言いましたよ。まだ、頑張らないといけません。われわれもね、被爆者団体も、一緒にね」と話した。
 また、自らも被爆者で、被爆したアメリカ兵の調査を行ってきた森 重昭さんとは、抱擁を交わす場面もあった。
 原爆資料館での視察の様子は公開されなかったが、大統領自らが折った折り鶴を、小中学生に手渡していたことがわかった。
また、次のような言葉も残していた。
 記帳には、「われわれは、戦争の苦痛を知っている。今、われわれと共に平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を見つけよう」とあった。
 オバマ大統領が、平和公園に滞在したのは、わずか1時間足らず。
 しかし、それは、核兵器のない世界へ向け、大きな1歩を踏み出した、歴史的な瞬間だった。


最終更新:528()114







今回のオバマさんの広島訪問については、『長崎にも来てほしかった。資料館をもっとゆっくり見てほしかった。核保有国の大統領としての責任を感じられない。』など、様々な意見も出ています。




ワシも、いずれの意見も『もっともだ』と思っています。しかし、ワシは今回の演説を、正直な言葉(もちろん書けない部分もあるのは分かっています)で語り、自らの限界もにじませた素晴らしい演説だった、と評価しているのです。





7年前、プラハで行った「核なき世界」を求めた演説。大統領になって、様々な政治目標の中の大きな一つとして「核なき世界」に向けた取り組みがあったのです。しかし、現実には自らの国が保有する核を僅かに削減したばかりで、大きな成果をあげられなかった。




それどころか、アメリカの現実は、今後の核兵器の技術革新のための予算を100兆円も確保し、メキシコが国連で提唱している核兵器削減条約の協議には話し合いのテーブルにすらつけていない。




プラハ演説ノーベル平和賞をもらったオバマ大統領は、このような状況をどのような思いで見ているのだろうか。個人としての理想は持ちつつも、国家としての様々なブレーキがあり、何も成果を出せない。どれほど歯がゆいことだろうか。




シカリさんは、オバマ演説に彼の切ない気持ちが込められているようで、いたたまれない気持ちになりました。




戦争にすがる人類の愚かさ、利便性のために向上させたはずの科学が人類を滅亡の危機に立たせている現状。




彼は、おそらく『他人事のような演説だ』と批判されるかもしれないという覚悟をもって原稿を推敲したに違いない。それでも、原稿を書き上げ、あの素晴らしい演説を成し遂げた。ワシは、この点を高く評価したい。




目先のことにとらわれ、自己利益ばかり優先する日本の政治家には、まねが出来ないことだろう。




被爆者の一人、森さんと抱擁する場面があったが、ワシには素直に『オバマさんは、非力な自分を許しを乞うている。』と思えました。




彼の演説の締めくくりを引用します。




「・・・それは私たちが選ぶことのできる未来だ。その未来では、広島と長崎は核戦争の夜明けとしてではなく、道徳的な目覚めの始まりとして知られるだろう」




この素晴らしい演説を引き出したのは、他でもない広島・長崎の被爆者の皆さんの長い戦いの成果です。長崎の高校生たちの取り組みの成果です。そして、反核に取り組んできた多くの人たちの成果です。




同時に、その成果は、新しい実をもたらしました。その実を大地で育み、芽を出させ、花を咲かせ、また、次の実をつけるようにするのは、ワシら全員に託されたのではないかと思うのです。(いつになく心が高揚しているシカリさんでした・・・・)






応援クリックしていただきますとありがたいです。よろしく~♪♪


              ↓


にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ離島情報へ