江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

あり得ない想定で「緊急事態条項」導入










明後日は憲法記念日。戦後日本の平和を曲がりなりにも守ってきた日本国憲法。それが、風前の灯火になってしまっている。









<緊急事態条項>被災3県で「必要」1町


毎日新聞 430()230分配信


 ◇岩手、宮城、福島 初動「現行法で可能」大半

 憲法改正の主要テーマである「緊急事態条項」を巡り、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42自治体に初動対応について聞いたところ、回答した37自治体のうち「条項が必要だと感じた」という回答は1自治体にとどまった。震災を契機に条項新設を求める声が政府内外で高まっていたが、被災自治体の多くは現行の法律や制度で対応できると考えている。

 憲法改正の是非が夏の参院選の争点に浮上し、緊急事態条項は安倍晋三首相が改憲のテーマと考えているとされる。5月3日の憲法記念日を前に毎日新聞は今月、岩手12市町村、宮城15市町、福島15市町村の担当部署にアンケートを送付。37自治体が回答した。

 初動対応で「もっと適切に対処できたと感じる場面があったか」と聞いたところ、30自治体が「あった」と回答。この30自治体に対処が不十分だった原因を選択肢(複数回答可)で聞くと、(1)「震災の規模が事前の想定を超えていた」が26自治体と最も多く、(2)「法律制度に不備があった」が5自治体、(3)「憲法で保障された個人の権利(移動や経済活動の自由、財産権など)が障害になった」は2自治体、(4)「その他」は3自治体だった。

 大半は(1)を選び、初動対応が不十分だった理由として「災害業務を把握していない職員が多く、指揮命令系統も不明確で、円滑な業務遂行に支障をきたした」(福島県いわき市危機管理課)など事前の準備や制度運用の課題を挙げた。

 一方、緊急事態条項にかかわる(3)を選んだのは、宮城県女川町と岩手県岩泉町だった。東北電力原発を抱える女川町は唯一、同条項を「必要だと感じた」と回答。「財産権が発災初動期・復旧復興期に大きなハードルとなっている」(企画課)とした。岩泉町は初動対応ではなく復興過程で財産権に絡む問題があったとしたが、「特例法で対応できた」(総務課)と同条項の必要性は否定した。

 (2)は原発事故で避難を強いられた福島県浪江町双葉町などが選び、役場機能の喪失や長期避難にかかわる支援の必要性を訴えた。(4)は岩手県大船渡市などで、被害想定などにかかわる理由を挙げた。

 緊急事態条項を巡っては2013年5月の衆院憲法審査会で、自民党中谷元(げん)議員(現防衛相)が「車とか家屋などが散乱していても所有者を確認しないと勝手に動かせないので、人の命を救うのに時間的なロスがある」と、震災に絡めて必要性を説いた。これに対し、災害に詳しい弁護士らは「災害対策基本法や災害救助法は緊急時の首長らの権限強化を定め、個人の権利は障害にならないはずだ」と反論している。【川崎桂吾、関谷俊介】

 ◇緊急事態条項

 大規模な災害や有事などで国が緊急事態を宣言し、人権保障や権力分立などの憲法秩序を一時停止して非常措置を取る権限(国家緊急権)を定めた条項。緊急事態が宣言されると政府に権限が集中され、個人の権利の強い制約が可能となる。2012年の自民党第2次憲法改正草案に盛り込まれた。

最終更新:430()1055








災害時に緊急事態を宣言するということは、人権も地方自治権もはく奪して、全て国がコントロールするということだけど、こういう事態がまともに機能するのか、少し考えればわかること。




災害時の緊急対応は、可能な限り小さな小回りの利く団体に権能と予算を与えること。もちろん、小さければ良いということではないが、現実的なのは、府・県に強大な権力を与え、基礎自治体と連携して対応するのが効果的なことは、行政にかかわった人間なら誰でも分かること。




自民党改憲をアピールするパンフレットには、『東日本大震災の時に、緊急車両に燃料を補給できずに、ケガをした人を搬送できずに死んでしまった。だから、緊急事態条項が必要で、災害が発生したら、いち早く緊急事態宣言をし燃料を緊急車両に優先的に補給できることが必要だ』と言った旨の説明がしてあるとか。




このことについて、TBSが東日本被災各自治体に確認をしたところ、そのような事例はゼロだったとか。




自治体では、災害時のためにガソリンスタンドと提携の契約をしている所もあり、支障なく優先的に補給できたそうだとか。さらに、消防署の中には、自前の燃料補給タンクを設置する動きも有るそうだ。




有りもしない想定で緊急事態条項を改憲草案に入れた自民党には、明らかに別の思惑があるんでしょうね。





さらに、災害に強い地域を作りたいのなら、自治体の在り方を考える方が先ですよ。何かというと、今では、自治体職員の2・3割は臨時・嘱託職員なんですが、非常時の対応義務はないのです。経費節減も大事ですが、色んな意味でもろい組織になってしまっていることを気づくべきですね。




五島市の職員なんか、その多くの男性職員が地域の消防団に所属し、地域防災に大いに貢献していますよ。




姑息に緊急事態条項をいじるより、日ごろから、災害に強い組織づくりを考えるのが先だと思うのですが、如何でしょうか。







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