江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

WHO報告(加工肉発がんリスク)を躍起になって否定するマスコミ








3・4日前のことだが、テレビのニュース番組で面白い光景が見られました。





それは、WHOが出した報告(加工肉の発がんリスク)について、「そんな簡単に癌になるわけではない。100人いて18人が癌になるわけではない。」と必死になって否定しているのです。




いつもは、逆に、やたら危機感をあおるのに、どうしたことか?







毎日ハム2枚 がん発症率18%UP WHO報告に食肉業界猛反発


産経新聞 1031()1617分配信


 世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が、ハムやソーセージ、ベーコンといった加工肉に高い発がん性が認められ、大腸がんを発症するリスクがあるとの調査報告を発表し衝撃が広がっている。5段階ある発がん性の評価で、たばこやアスベストと同じ最高レベルに分類。ハムやベーコン2、3枚分の50グラムを毎日食べ続けると、発症率が18%高まるとしている。ステーキなどの赤身の肉にも発がん性があると指摘した。これに対し、大量消費国である米国の食肉業界団体は「信憑(しんぴょう)性に欠ける」と猛反発。肉をこよなく愛する消費者は「何を食べればいいんだ」と悲嘆にくれている。


 ■たばこと同じ危険レベル
 この調査報告は26日、がんに関する専門医学誌「ランセット・オンコロジー」の電子版に掲載された。欧米メディアの報道によると、IARCの研究者が、世界中で発表された約800件の研究論文を精査した結果、「加工肉の摂取が大腸がんを引き起こすことを示す十分な証拠が得られた」という。
 肉を塩漬けや発酵、薫製などで加工した幅広い食品が対象に含まれ、コンビーフビーフジャーキーも該当する。IARCは発がん性を5段階で評価しており、加工肉を最高レベルの「グループ1」に分類した。たばこやアスベストのほか、ディーゼル車の排ガスやホルムアルデヒドといった発がん性物質と同じレベルだ。報告書は「摂取量の増加に伴って発症リスクは高まる」とし、摂取量を抑制する必要があると結論付けた。


 ■メカニズムは「不明」
 赤身肉についても、「大腸がんのほか、膵臓(すいぞう)がんや前立腺がんとの因果関係を示す証拠がある」と指摘。評価レベルで2番目に高い「グループ2A」に分類し、1週間に500グラム以上食べないよう警告している。
 ただ、加工肉の摂取によって発がん性が高まるメカニズムについては解明されていないとし、「加工や調理の過程で生成される化学物質が影響している可能性がある」との指摘にとどまっている。加工肉の安全な摂取量も示していない。
 また最高レベルに分類しながら、加工肉の過剰摂取が原因のがんの死亡者は世界で年約3万4000人で、喫煙を原因とするがんの死亡者の100万人、アルコール摂取の60万人、大気汚染の20万人に比べると「かなり少ない」とのデータも示した。


 ■「データ歪曲」「比較不適切」
 現代社会の食生活を根底から覆しかねない衝撃的な報告だが、あいまいな点も多く、重大な影響を受ける食肉業界は一斉に批判の声を上げた。
 米食肉協会(NAMI)は、「最初から特定の結論を導き出すため、データを歪曲(わいきょく)した。肉を含むバランスのとれた食事の利点をまったく無視している」との声明を発表。バリー・カーペンター会長は、メディアに「IARCががんの原因にならないと明言しているのは、ヨガの際にはくパンツに含まれる化学物質だけだ」と語り、何でも発がん性に結びつける姿勢を批判した。
 さらに、欧米メディアは「発がん性が明確になっている化学物質を含むたばこと、加工肉が同じレベルにあるという比較は極めて不適切である」といった専門家の声を紹介し、報告に懐疑的な見方を示している。
 ネット上にも消費者の戸惑いの声があふれている。
 「たばこも酒もやめたのにベーコンを握りしめて死ぬしかない」「われわれは科学を放棄せねばならないという現実に直面している」


最終更新:1031()2157

 



まあ、食肉業界が反発するのは理解できますわな~。しかし、それに歩調を合わせるようにマスコミがヒステリックにWHO報告を否定するのは、滑稽でもあるし、不気味でもありますね。




ワシらとしては、これまで癌リスクを認識していなかった分野に、新たなリスクがあった、という程度のことで、どうでっしゃろか。否定することも、大騒ぎすることもないと思うんやけど。




18%リスクが増大する、と聞くと、ちょっとビビるかもしれないけど、アメリカ産の牛肉や中国産の野菜を食べる時のリスクと大して変わらないでしょうね。



例えば、こういうことでしょう。100人います。そのうちの56人が大腸がんになります。このグループの人たちが、1日平均50g加工肉の摂取量を増加させるとリスクが18%増加するわけやけど、最初のリスク率は、0.56ですね。このリスク率が18%増加ですから、0.1008(0.56×0.18)増加して、0.668(0.56+0.1008)のリスクになるわけですね。このリスク率を、母数100人にかけると、約66人。





マスコミの皆さんは、リスクの増加としては大したことじゃないと、必死で否定していました。面白かったな~。ところで、前の例で、56人が66人に増えるのは「リスク小」と評価できるでしょうか。




ただ、WHO報告はこれまでの研究論文の再評価によって導き出されたもので、リスク向上の根拠についてもつかめていないということも、食肉業界やマスコミに攻撃されているようですね。



平成25年国民健康栄養調査>
 日本人の加工肉摂取量
   成人男性では1日平均でハム、ソーセージ類を13.7g、牛豚肉を41.3g
    成人女性では1日平均でハム、ソーセージ類を11.0g、牛豚肉を28.7g


 

WHOとしては、「危険性がありますよ~」って教えてあげたのに、よってたかって攻撃されてびっくりしたでしょうね。人の警告には、ありがたく耳を傾ける方が良いですよ。






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