江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

東電は「真摯」な対応をしているのか

今回の福島原発の事故で、私たちは、色んな事故処理を知ることが出来ました。




ベントやら、真水による冷却とか、海水による冷却とか、コンクリートの流し込みとか、高分子ポリマーの注入とか、排水の玉突き移送やら。



テレビのキャスターが興奮して伝える手段の数々だが、内容を見ると、なんでもないこと。



単なるガス抜き、冷却、汚染水の漏れ防止、汚染水の移し変えに過ぎない。



百歩譲って、津波被害を「想定外」の事故とするとしても、原子炉周辺で処理することは、この程度のことなのです。



そうした対策が全く訓練されていなかったと言うことでしかない。







ところで、このような事態は誰も予想もせず、勧告もしていなかったのでしょうか。




国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定しています。さらに、福島原発で使われている沸騰水型軽水炉については、『電源が失われ原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損する』という研究報告が昨年10月にまとめられています。




つまり、十分想定されていたことなのです。この報告を真摯に受け止め、電源のバックアップ体制を作っていれば、これほどひどい事態にはならなかったと言えるのです。








なぜ、ベントの指示を無視したのか。




11日に地震が発生し原発が被害を受けた事を知った菅総理は、すぐさま関係者を集め事態の把握に努めています。




その結果、応急措置としてのベントの必要との結論に達し、12日午前1時30分頃には東電に対しベントの実施を要請しています。




ところが、実施されたのは12日午前10時17分。なんと、政府の要請から8時間以上も経過してからのことです。




ベント実施が遅れた理由として挙げられているのが、菅総理の現場視察です。しかし、これは責任逃れ、あるいは、こじつけ批判にしか見えません。




ワシは、菅総理の政策で何一つ支持できる物はありません。でも、今回の行動は正しかったと思います。




中には、大将が総理官邸を離れるなんて、という声(自民・公明の政治家やマスコミ)もあります。しかし、そういう意見を述べられる人自体が今回の原発災害を正当に認識していなかったのでしょう。




大体、『大将は後ろで指揮を取るもの』という考え方は、近代兵器を使っての戦争のときに言うことで、相手の姿も見えない今回の事態は、大将は戦場の地理や風向きを肌で感じ指示する必要があるのです。




それにしても、政府の要請を8時間あまりも実行できず、午後3時36分の水素爆発を招いた東電の責任は大きすぎる。










今回は想定外だと言いますが、想定外の時にしか事故は発生していないのでしょうか。




福島原発3号機は、1978年11月2日に、日本で始めて臨界事故を起こしています。しかも、その事実が公表されたのは29年後の2007年3月22日のことです。



想定外でなく、普通に事故を起こしているのです。しかも、その事実は秘密。他にも、事故の例はありますが、省略します。








東電の体質を表す一つのコメントを紹介します。




4月2日付けの長崎新聞に『安全管理 東電に重い責任』という記事がありました。




原発事故の処理に当たっている労働者に対する東電の責任を追及する記事です。作業員が少なく、被爆上限を超える者が出てきているという指摘です。




これに対して、東電の広報担当者は『将来的に(人が)足りなくなれば、増員はもちろんあり得る。・・・』と回答しています。




災害時対応の基本は、まず、全力であたり徐々に対応を縮小していくのが常識でしょう。しかし、東電は小出しにしかしない。水素爆発を起こした後でも、この程度の認識なんです。









どれをとっても、東電に真摯さは感じられません。このような無責任な企業に原子力発電などという危険な事業を続けさせて良いのでしょうか。






最後に、経営学者で社会学者であるオーストリアの学者ピーター・ファーディナンドドラッカーの言葉を、東電の経営陣に贈ります。







『人は人の不完全なることを許す。ほとんどの欠陥を許す。しかし、ひとつの欠陥だけは許さない。それが真摯さの欠如である。』









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