モーニングショーの玉川さん、これも少し飛躍だよ。「新型コロナに関わる差別・排除」について
玉川さんのコメントにコメントするのは、これで二度目ですね。
前回指摘した内容については、数日前に番組内で謝罪していましたね。
こうした潔さ、正々堂々としたところが、シカリさんは好きです。
ところで、今回の問題は、帰省者への中傷ビラ問題です。
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玉川徹氏、青森の帰省したことへの中傷ビラ問題に見解…「一番気を付けなければならないのは排除の論理なんです」
スポーツ報知、8/10(月) 9:28配信
10日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)では、感染が拡大する新型コロナウイルスについて特集した。
番組では、青森市で東京から5日帰省した60代の男性が帰省したことを中傷するビラが置かれていたことを報じた。
ビラは7日に家の玄関先に置かれており、「良年して何を考えてるんですか?」など書かれていた。男性は帰省前に自費でPCR検査を2度、受けていて、いずれも陰性だったため帰省したという。
スタジオで同局でコメンテーターの玉川徹氏はこの問題に「排除の論理なんですよね。一番気を付けなければならないのは」とした上で、「これは感染した人を排除しようというところにつながっているというよりも、そのものですよね」と指摘した。
さらに「私たちの心の中にあるわけです、どす黒いものが。そういうものが育たないように気を付けなければならないんです。ビラを書いた人は、心配と不安からそのどす黒い種がこういう行動を起こすところまで育ってしまった」と話し、「だから、そういうことをしないと気を付ける。自分の中に差別の意識、排除の意識があることを常に考えながら生きていかないと、人対人の闘いになってしまう。これが怖い」とコメントしていた。
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帰省した人に中傷ビラと言うか、警告ビラを書いた人は、なぜ、書いたのでしょうか?
シカリさんは、少し理解できる部分もあります。
『この人、都会から来て感染しているんじゃないか?』『これほどの騒動になっているときに帰省を自粛するとか考えなかったのか』『近所の人に移したらどうするんだ』
ワシ等、田舎に住む「受け入れる側」としては、ごく自然な感情のような気がします。
ここについて玉川さんは、「私たちの心の中にあるわけです、どす黒いものが。そういうものが育たないように気を付けなければならないんです。ビラを書いた人は、心配と不安からそのどす黒い種がこういう行動を起こすところまで育ってしまった」と発言しています。そして、排除の論理に進んでしまったとの考え方なのでしょう。
ただ、ここでも少し飛躍がありますよね。
まず、人間誰でも『理解できないもの。得体のしれないものなど』に遭遇すると怯えると思います。自分の経験やこれまでに得た知識をもってしても理解できないものや事態については、恐怖を抱くのは自然な反応です。
ここから、いきなり「私たちの心の中にある、どす黒いもの」と展開している。
確かに、差別する人間の行為の背景には、そうしたものがあります。その「どす黒いもの」とは、得てして「劣等感、ひがみ、ねたみ」などの差別者自身の心の弱さを、自らを含む多数と、異質なものとの違いを強調することで自らの安心・満足を得ようとする心が差別意識と言えるのです。そして、それが加速して、自らの安心・満足を通り越して優越した立場を得ようとして排除の論理へと進んでしまうのです。(ある意味、哀れですね。)
ところで、今回の問題の中傷のビラを書いた人は、どうでしょうか。
シカリさんの判断では、玉川さんと同じような論理の飛躍があります。
『感染者ではないか?』⇒『地域の迷惑を考えるべき』⇒『指摘する行為は、正義だ』
相手の方は、新型コロナウイルスについて十分に知識があり、PCR検査で陰性の確認を得て帰省している。このことをビラを書いた人は確認していない。
新型コロナウイルスに対して、お互いに神経を使っているのに、『敵味方』にしてしまう構造こそが指弾されなければならない。
それは、安心して生活できる国づくりをせず、国民が安心できる情報を発信せず国民を疑心暗鬼のるつぼに叩き込んでいる。その責任者をこそ指弾するべきです。
弱者と弱者が、配慮を欠落した行動をしたからと言って、いきなり「排除の論理」などと飛躍した論法を張ってはいけない。
国民の立場に立った報道を心掛けるならば、安心して行動できる体制づくりをしない、ルール作りをしない為政者をこそ糾弾すべきです。もちろん、差別は許されません。お互いに気をつけないといけないことです。
皆さん、敵を間違えてはいけませんよ。