しかし、最近では、そうした問いはほとんど聞かれません。なぜでしょう?全て解決したのでしょうか。そうとも思えませんが、いつの間にか、多くの問いが未解決のまま放置されています。
もちろん、流行に関係なく基本的な問いを研究する所もあります。東京都荒川区では「区民の幸福度」を研究する取り組みが続いています。行政としては、至極当然な取り組みなのですが、他の自治体では、ほとんど見られない取り組みです。なぜでしょう?
おそらく、多くの自治体の指導者は、市民の幸せについて「所得が多い」ことや「人口が多い」ことに象徴されると思っているんでしょうね。
こうした考えの先駆者は、言わずと知れた西洋諸国。特に、アメリカですね。なんでもかんでも「多い」こと「大きいこと」を求め続けた国で暮らす人々が、どのようになっているか・・・・・・。
米国の薬物過剰摂取が「大流行レベル」に、傷害死因のトップ
AFP≒時事 11月5日(木)12時51分配信
【AFP=時事】米国で薬物の過剰摂取が大流行の水準に達していることが、米麻薬取締局(DEA)が4日に発表した報告書で分かった。同国では、薬物の過剰摂取は交通事故や銃撃を抑えて傷害による死亡原因の第1位になっている。
DEAのチャック・ローゼンバーグ(Chuck Rosenberg)局長は「薬物乱用は、あまりにも多くの命に早過ぎる終わりをもたらしており、家庭や地域社会を破壊している」と語った。
「われわれは、若者たちにもっと低年齢のうちに手を差し伸べて、薬物乱用の危険と恐怖の数々について学ばせなければならばい」
入手可能な最新のデータによると、2013年、薬物過剰摂取による死者数が4万6471人に上った一方、交通事故の死者数は3万5369人、銃による死者数は3万3636人だったという。
■急増する薬物過剰摂取による死者数
薬物過剰摂取による死者数は、過去10年間で急増しており、2004年に報告された死者数3万711人から50%以上の増加を示している。交通事故の死者数が減少傾向にある中、薬物過剰摂取は2008年に初めて、傷害による死因の第1位になった。
ローゼンバーグ局長は「過剰摂取による死亡、特に処方薬とヘロインによるものは、大流行の水準に到達している」と述べた。
また、今回のDEAによる薬物脅威の年次評価では、ヘロインの使用が全米で急増していることが明らかになった。
最近の政府調査では、過去30日以内にヘロインを使用したと答えた人の数が、2013年から2014年で51%増加したことが判明している。この常習性が高い薬物の法執行機関による押収量は、2010年の2763キロから2014年の5013キロにほぼ倍増している。
■処方薬による死者数が依然ダントツ
だがDEAの報告書によると、処方薬の方が依然として、はるかに致命的な問題となっているという。処方薬を乱用する人の数は、コカイン、覚せい剤のメタンフェタミン、ヘロイン、合成麻薬のMDMA(通称エクスタシー)やPCP(通称エンジェルダスト)の使用人数を全て合計した数より多く、処方薬による死者数は2002年以降続けて、コカインとヘロインによる死者数の合計を上回ってきた。
中国産の合成麻薬は「米国内に大きな混乱をもたらし続けている」と、DEAは指摘した。
メキシコの麻薬カルテルは依然として、ヘロイン、コカイン、メタンフェタミン、マリフアナ(乾燥大麻)などの主要供給源となっており、カルテル傘下のギャング団は「わが国の地域共同体の安全と治安にとっての重大な脅威となっている」と報告書は述べている。【翻訳編集】 AFPBB News
最終更新:11月5日(木)14時0分
麻薬が家庭や地域社会を壊しているのか、それとも、壊れた家庭や地域社会からの逃避のために麻薬を使っているのか。
アメリカの指導者たちは、低年齢のうちに麻薬の恐怖を教えなければいけないと考えている。それはそうだが、これを対処療法と言うんじゃないでしょうか。極端に言えば、場当たり。本当に必要なのは、薬物に頼らないと生きれない社会の在り方を考え直すことじゃないかと思うんです。
人が「幸せ」と感じる条件。それは、性別によっても年齢階層でも大きく違いことではありますが、平成24年度の荒川区の区政世論調査によると、第1位「健康であること」、第2位「家族との関係が良好であること、第3位「住まいがあること」、第4位「生活に余裕があること」と続き、災害がないこと、治安が良いこと、生きがいがあること、生活環境が良好なこと、などとなっています。第4位の「生活に余裕があること」という回答には、幅広い思いが感じられます。経済的余裕、時間的余裕、精神的余裕、そんなものでしょうか。
平成22年度国民生活選好度調査(内閣府)によると、やはり、第1位は「健康」、第2位「家族」、第3位「家計」、第4位「精神的ゆとり」と続いています。
職場では徹底して合理化がすすめられ、企業間競争は激烈を極め、こうした競争は一国内だけでなく国際的競争を強いられる状況になっている。この競争に勝ち抜けば、それこそ計り知れない富が集約される。負けると、一日もゆっくり生活することが出来なくなる。
競争は命をあつかう医療機関にも、ゆっくり基礎研究をしないといけない大学にも、福祉関係事業所にも拡大され、経営者もそこで働き学ぶ人たちも、日々、追い立てられるような生活を送っている。
こんなゆとりのない生活環境を改善するどころか、TPPなどで強化する方向に向かっている。TPPについて、水産庁の広山久志水産物貿易対策室長は「誰ひとり死ぬ人がいないという意味ではない」と説明したそうです。それほど、追い詰められるのは目に見えている仕組みを、私たち日本人は認めてしまった。
現在以上に、時間・競争・技術獲得・人材獲得でギスギスした環境で生きて行かなければならないのです。
しかし、じっくり考えてください。私たち人間は、それほど強くないのです。同時に、自らの欲深さも自覚できないのです。欲に駆られて走り続け、満たされない、落ち着かない心を満たすために、薬物に手を出してしまうのです。
圧倒的な格差社会の中で、生まれた時から豊かさに無縁な人々は、豊かな生活をする人々を、遠い風景でも眺めるように眺めながら、自らの現実から逃れるために薬物に頼るようになるのです。
こうした悲劇は、多くの場合、自己責任として片づけられてしまいます。
しかし、シカリさんは、そうは思いません。こうした欲望に操られ、多くの人々を絶望の淵に追いやる社会は、人類の堕落を表す悲しい社会でしかないと思います。そして、これまで日本人が蓄積してきた知恵で、修正できると思うのです。出来ることは、早く修正しましょうよ。
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