福島第一原発の混乱は、今だ、出口は見えません。そんな中、永田町の皆さんは、政争を始めています。 |
4月14日、谷垣総裁は「震災後、政府の体制は20近くに及ぶ会議や対策本部が乱立し、権限が不明瞭な特命担当大臣や内閣参与の任命によって混乱を招いている。後手後手に回る政府の対応は、日本の国際的な信用の失墜を招いている」と述べました。(NHK) |
さらに、「統一地方選挙の結果からも、国民は菅政権に復興のかじ取りを委ねることはできないという意思を示している。菅総理大臣みずから出処進退について判断する時期にきている」と述べ菅総理の辞任を求める考えを示した。 |
4月14日の産経新聞によると、小沢元代表は「菅直人首相を退陣させるためには内閣不信任案可決しかない」と12日夜に側近議員に語ったそうです。 |
17日の「ニコニコ動画」の番組では、「今のような状況を転換して、思い切った政策をするという決断を菅首相がして、みんなでがんばろうというのならいいが、そうでない場合は政治家としてどうすべきかということを考えなければならない時期だ」と発言したそうです。 |
やっぱり、この人達は現在の状況がわかっていないと思う。今は、「思い切った政策」を出したり議論したり出来る状況ではないと思うのだが。原発の暴走を食い止めるための応急措置を、必死で行っている段階で、まだ、出口も見えていない。なのに、もう政争ですか・・・ |
2007年11月号「科学」に、「原発で地球温暖化は防げるのか」という小論文が載せられています。その中から抜粋して載せさせていただきます。 |
原発で地球温暖化は防げるのか
西尾漠(原子力資料情報室共同代表)
・・・ウラン燃料の核分裂からは二酸化炭素は出てこない。しかし、原発は鉄とセメントのかたまりだから、鉄やセメントをつくったり運んだりするのに、かなりの量の二酸化炭素を出す。燃料のウランを採掘し、濃縮工場に運んで濃縮し、加工工場に運んで加工したりするのにも、二酸化炭素を出す。使用済み燃料や放射能のごみの後始末からも二酸化炭素が出てくる。・・・何十万年もの間、放射能のごみを安全に管理しつづけようとすれば、火力発電以上に厖大な二酸化炭素を出すことにだってなるかもしれない。・・・原発を増やしていく社会は、火発も増やしていく社会なのである。・・・
西尾氏の主張を裏付ける資料は、経済産業省が毎年発表している「電力供給計画の概要」にあります。 |
平成16年度版に掲載されている平成14年度発電実績は、石炭による発電は2093億kWh(22.2%)、原発2949億kWh(31.2%)です。同時に、平成25年度の供給見込みは、石炭発電は2010億kWh(18.9%)、原発4291億kWh(40.4%)としています。 |
平成21年度版での平成20年度発電推定実績は、石炭発電は2540億kWh(25.2%)、原発2563億kWh(25.5%)です。同時に、平成25年度の供給見込みについては、石炭発電は2295億kWh(21.8%)、原発3734億kWh(35.5%)と修正しています。 |
ちなみに、石炭以外も入れた「火発」全体の計画でも、平成16年度版での平成25年度見込みは5280億kWh(49.8%)、平成21年度版での平成25年度見込みは5702億kWh(54.2%)となっているのです。 |
大体、日本での原発は、どのようにスタートしたのか。 |
1954年3月2日、当時、改進党の中曽根康弘などが「原子力平和的利用研究費補助金2億3500万円、ウラニウム資源調査費1500万円、計2億5000万円」を計上した。 |
この補助金の2億3500万円の額は、ウラン235をもじったものだそうな。 |
今始まっている政争の原点は、ここにあるのではないだろうか。 |
小沢元代表が接触をしようとしている森善朗元首相などは、当然、中曽根ラインにある人脈。 |
政争を煽り立てているのは、読売新聞。つまり、正力ラインです。 |
つまり、『菅直人に任せていたら、原発行政を止められる』という危機感ではないだろうか。 |
福島原発をどのように収束するのか。そこには、当然、その後の方針が大きく絡みます。 |
政争を煽り、旨く行って政権交代出来れば、原発利権を守ることが出来るのです。 |