江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

安心への工程表(東日本大震災)

福島第一原発の事態収拾に向けた工程が、17日に東電から示されました。





「ステップ1」では、3ヶ月ほどをかけて、原子炉では水で満たしたり格納容器損傷部分の密閉を行い、燃料プールでは循環冷却システムの復旧などを行い、安定的冷却システムを復旧するそうです。





「ステップ2」では、さらに3~6ヶ月をかけて、原子炉では燃料上部まで水で満たし冷温停止状態にし、燃料プールでは熱交換機能の回復などを行い安定的冷却を確保すると同時に、汚染水処理などの施設拡充を行うとのことです。つまり、「ステップ2」の終了見込みとして、おおよそ9ヵ月後、というメドを示しています。





「中期的課題」については、「ステップ2」以降の課題として、原子炉の構造材の腐食は損防止、燃料プールからの燃料の取り出し、汚染水については本格的水処理施設の設置を行うこと、となっています。





この工程表については、早速、マスコミから批判を浴びています。様々な専門家が、工程表について「甘い」「実現性は低い」などと評価しています。





しかし、どこの社会でも経験のないことについては、「工程表どおりに進んだ例」と言うのは、少ないのではないでしょうか。





今、国民が求めているのは「解決までの目安」だと思うんです。





『おおよそ9ヶ月』という目安を示したことは、素直に評価すべきだと思います。





ちなみに、シカリさんは昔、京都国際会議場の増築工事に参加したことがありますが、どんな詳細な設計書も現場の状況に合わせて、毎日書き換えながら工事を進めていました。毎朝工程会議があり、不都合を修正していくのです。それが現実です。














地震津波での被災地の復旧・復興工程表は、どのようになるのでしょうか。





原発災害同様に、地震津波の被害地についても、一時避難が落ち着いた今、被災者の皆さんが求めるのは、先々の生活再建の目安でしょう。





シカリさんの意図は、行政を批判するものではありません。





行政組織は、末端の市町レベルでは職員が災害に巻き込まれたり、庁舎が破壊されたり、極端な機能低下の状態にあると思います。





そのような行政組織も落着きを取り戻し、本格的復旧へ向けて計画作りを進めていることでしょう。しかし、例え出来ていても公表するまでには様々な手続きが必要です。





このような時に、暫定的にでも過去の事例を示して被災者に『目安』を示すことが出来るのはマスコミではないでしょうか。





一時避難所に押しかけて、苦労話を無理やり語らせるより、よっぽど被災者のためになると思うのですが、ワシの思い込みでしょうか。


「2000年 有珠山噴火災害」の例

  被害戸数 113棟、避難市民数 15,815人
  仮設住宅の建設箇所1市3町、15区に734戸

   建設準備期  1週間あまり
   建設期    3ヶ月あまり
   入居期    1ヵ月後から入居が始まり2年間入居
   解消期    10ヶ月あまり

 この例は、今回の災害と比較するには、あまりにも小さすぎます。


 今回の東日本大震災での4月22日現在の避難者数は、130,852人です。



「阪神・淡路大震災」の例

    全壊戸数111,123棟、最大避難者数316,678人
    応急仮設住宅建設箇所18市11町、634地区に49,681戸

    被災後2週間で建設が始まり7ヶ月で入居が終わっています。


   
 残念ながら、これ以上のデータを探すことが出来ませんでした。

 なお、このデータは「地域安全学会論文集」の中の「阪神・淡路大震災後の応急仮設住宅の供給と建設過程の比較研究:2003年11月」(狩谷のぞみ、村尾修)を参考にしました。





マスコミ関係者や、専門家の皆様、いたずらに不安や焦燥を煽り立てずに、わずかでも希望に繋がる『目安』を示してください。






以前も書いたかと思いますが、非常時に必要なことは「やる」「やらない」を素早く決めることです。決定事項の曖昧な部分は、「進みながら」修正すべきなんです。立ち止まって、議論ばかりし、100%の計画しか認めないという、机上の議論は混乱を増すばかりです。













シカリさんの身近にもボランティア参加者がいました。






一人は、シカリさんの弟です。福島原発の後方支援基地(Jビレッジ)で活動しているそうです。母は泣いています。「自分は長崎原爆で被爆し、息子まで放射能で怯えないといけない。どうして、こんなことになるのか。」慰める言葉もありません。ちなみに、弟の現住所は五島ではありません。






もう一人は、本土の自治体職員の甥です。今日、陸前高田市に向け出発しました。2週間滞在の予定だそうです。






そして、もう一人は、シカリさんの職場の若い職員です。会社全体で3名の募集だったそうですが、4名が名乗りをあげたそうです。3名にすべく調整したそうですが、辞退する人がいなくて4名の派遣になったとか。そのうちの一人が、同じ職場の人です。





みんなが、任務を遂行し、現地の復旧に貢献し、予定通り帰宅出来る事を祈るばかりです。












『余程、間違った方針でない限り実行する。』これが、非常時の対応だと思います。






復興の議論に参加する、しないという報道もありますが、参加しない人の説得にエネルギーを使う必要はない。





現場を直視して、まずは復旧への道筋を示し、その後、現地の意見を参考に復興の道筋を示してください。










一方、マスコミの皆さん、復旧・復興への道筋の前例を示していただけないものでしょうか。解説するのではなく、過去の例での「安心への工程」を示していただきたい。








https://local.blogmura.com/ritou/img/ritou88_31.gif 
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 離島情報へ

応援クリック(一人1日1回のみ有効です。)よろしくね~♪♪