毎週金曜日は、東京の舛添知事の定例会見の日。先週は「精査」という言葉を連発したが、20日は、「第3者の調査」という言葉でした。
フジテレビ・風間 晋編集委員が解説します。
(何度聞いても、何を聞いても、「第3者の目に委ねる」としか答えなかったが?)
印象づけたいっていうのは、すごくよくわかるんですけど、そんなことでだまされるわけもなく、「第3者の目」っていうのは、目くらましで終わってしまうことも、少なくないんですよね。
実は今、役所や企業の不祥事でも、第3者委員会の設置っていうのが大はやりなんですけれども。
例えば、マンションのくい打ち不正の旭化成とか、あるいは不適切会計の東芝の例などが、記憶に新しいところですよね。
身内による調査では、厳正さが期待できないだろうということで、外部の専門家にお願いする、第3者のわけなんですけれども、加えて、この中立・公正で、真摯(しんし)な取り組み姿勢を印象づけられますし、何よりも、事態をとりあえず沈静化して、時間を稼げるというメリットもあるわけです。
(結論を先延ばしにして、少しほとぼりが冷めるのを待つ?)
実は、この舛添都知事の場合も、外部の専門家を、自分で人選して、第3者委員会とか言っていますけど。
自分に対して、厳しい人を人選するかどうかっていうのは、わからないわけじゃないですか。
(今回、第3者委員会ではなく、あくまで「第3者」)
これが1人なのか、複数なのかってこともわからない。
この調査の範囲を、おそらく舛添都知事が自分で、「じゃあ、何年から何年の支出について調べてください」みたいなことを言いかねないし、あるいは、自分でヒアリングは、自分が当然、ヒアリングの対象になるって言っていますよね。
そうすると、舛添都知事が、ヒアリングにちゃんと全面的に協力するかどうかによって、その調査の結論というのが、左右されてくるわけですよね。
そうすると、舛添都知事が描く、シナリオ通りの調査結果っていうことになってしまいかねない。
そうしますと、舛添都知事のための第3者の調査であっては、もうちょっと結論が見えているわけで、やはりこれは都民のため、あるいは有権者のための調査じゃないと、だめなんじゃないのっていうふうに思うんです。