マスコミにあおられ大騒ぎ ハロウィーン騒動
ハロウィーン本番を迎えた31日、各地で仮装や音楽を楽しむイベントなどが開かれた。東京・渋谷では思い思いの仮装をした人であふれ、JR渋谷駅周辺は大混雑。警視庁は機動隊員ら数百人態勢で警備を行い、スクランブル交差点では、DJポリスの怒声も響いた。
仮装した若者や見物人であふれかえった渋谷駅前のスクランブル交差点。夜が深まるにつれ、混乱は深まっていった。
警視庁は昨年、2人の逮捕者が出た反省を踏まえ、人員を倍増し、機動隊員ら数百人態勢で警備にあたった。スクランブル交差点では、警視庁の機動隊広報班、通称「DJポリス」が車上から呼び掛けるなどして交通整理や雑踏警備を行った。
これまでサッカーW杯の日本代表戦など、渋谷の街に多くの若者が集まるたびに登場し、ウイットあふれる言葉で交通規制を担当してきた「DJポリス」。だがこの日は、その声が徐々に怒気を帯びていった。
「ハロウィーンの衣装に見とれず、横断歩道を渡ってください」など呼び掛けていたが、赤信号を待つ人の列が、駅から出る人波に押し出されていくなど徐々に混乱すると、声色が変わった。
「前の人を押しのけて出るのをやめてください!」。注意しても聞かないため、「やめなさい!」に変化した。
交差点を行き交う人の群れを撮影するため、信号機に上る若者も。手製のみこしを7~8人で担ぎ、その上でおしりを振りながら横断する一団が現れるなどもはや無秩序状態。「路上でパフォーマンスするのはやめてください!」とDJポリスの声が響いた。
予想以上の大混乱に、警視庁幹部は「主催者がいるわけではなく、集まった人の動き方や盛り上がりのピークがいつなのか予測がつかない。新しい警備の課題だ」と頭を抱えた。
歌手の「T.M.Revolution」こと西川貴教(45)が31日、自身のツイッターを更新。日本でも盛り上げるハロウィーンに持論を展開した。
「ハロウィンの盛り上がりに水を差す気はないですが、やっぱ本来のハロウィンで仮装するのは小さな子供たちで、大人がコスプレして我がもの顔で練り歩いたりするもんじゃないんですよね。日本で言えばお盆みたいなもんなんだから、クリスマス同様、家族で過ごすものなんだなと改めて思うヒースロー空港なう」
日本記念日協会によると、ハロウィーンの市場規模は推計約1220億円。2011年の560億円から約2・2倍と急成長を遂げ、バレンタイン市場(約1250億円)に迫る勢い。
急成長の背景にはSNSの存在がある。日本記念日協会によると、仮装は「絵」になる要素が強く「誰かに伝えるための絶好の機会」と分析。市場が急成長した2012年はフェイスブックが日本で本格的に活用され始めた年でもある。SNSの普及が、市場拡大の要因になったといえそうだ。