不正会計問題に揺れる東芝の室町正志社長は1日、毎日新聞などのインタビューに応じた。室町氏は半導体の一部不採算事業、冷蔵庫などの白物家電、テレビ、パソコンなどのリストラ策を11月初旬にも発表すると説明し、「場合によっては従業員対策も必要。どこまで踏み込むべきか議論している」と述べ、人員削減も検討していることを明らかにした。
同社は2015年4~6月期で営業赤字に転落するなど業績不振が鮮明になっている。室町氏は白物家電、テレビなどの事業について「今までも構造改革をしてきたが、(4~6月期の)決算が厳しい状況になっていることを重く受け止める」と語り、大胆な対応が必要との認識を示した。その上で、人員削減について「雇用の維持は経営者が考えるべき大きな課題」と述べながらも、「雇用問題になると労働組合との相談も必要になり、多少時間はいる。可能性はあるかもしれない」と語った。
主力事業である半導体部門のうち、家電向けの「システムLSI(大規模集積回路)」などの事業立て直しについては「ある程度方向付けができた」と説明。ただ、具体的な内容は明らかにせず、大分など国内工場の撤退があり得るかとの質問には「そこまでお答えする段階にない」と述べるにとどめた。
また、歴代3社長らが引責辞任した不正会計問題に絡み、室町氏は執行役員より下の幹部社員30人程度を処分する方向で検討していると説明。これまで会長も兼務していた室町氏は9月30日の臨時株主総会を経て社長専任になったが、「(社長の在任期間は)3年ということはおそらくない」と強調し、東芝再生の道筋を付けたうえで早期に退任する意向を示した。【片平知宏】