「いくら議論したって憲法違反なんだよ!」率直な若者の声
梅雨の長雨が途切れた6月27日午後、東京・渋谷のハチ公前広場を、安保法制に反対する人たちが埋めつくした。10代・20代の学生を中心とした自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)が呼びかけた「戦争法案反対」の街宣活動。「憲法をまもれ!!」「戦争立法絶対反対」「戦争させない」など、様々なプラカードを掲げた老若男女が、若者たちの言葉に耳を傾けた。
SEALDsのメンバーは次々に街宣車の上に登壇。マイクを握って「憲法違反の法律は、いくら議論したって憲法違反なんだよ!普通わかれよ!」「へらへらと議論して、自衛隊の人たちを戦地に送るつもりか!」などと叫び声を上げた。聴衆たちは「そうだー!」「頼むぞ!」と声援を送っていた。
SEALDsメンバーの佐竹美紀さん(23)は次のように、安保法制に反対する理由を述べた。
「この国の平和と国民の命を守るために、友人やそのまた友人が戦地に行くことに、私は耐えられません。やられたらやり返す、やられる前にやる。そんな報復合戦に参加し、これから先も誰かの犠牲の上に自らの平和が成り立っていくことに私は耐えられません。私たちの憲法は先進的ですばらしいものだと信じています。徹底して武力行使をしないことこそが、世界の平和と安全を形作ると信じています」
そして、戦争を止められるのは日本国民自身だとして、聴衆に向かって次のように呼びかけていた。
「過ちは繰り返さないと、70年前の犠牲者に私たちは誓ったはずです。私たちなら止められる。私たちが止めるんです。2015年6月27日、私は戦争法案に反対します」
殺し、殺される立場になるのは、若者たち。
そんな猿芝居で命を落とすことになるかもしれない若者が怒るのはもっともな話。
札幌在住の19歳のフリーター高塚愛鳥(まお)さんが安全保障関連法案に反対しようと呼び掛けたデモ「戦争したくなくてふるえる」が26日、札幌市内で行われた。「戦争は怖い」という若者の率直な声はインターネット上で大きな反響を呼び、初めてデモに参加する人を含め約700人が集まった。
大通西8丁目からススキノまで「死にたくないから戦争反対」「殺すのイヤだから戦争反対」などと声を合わせてデモ行進した。札幌市東区の高3生藤田涼香(すずか)さん(17)は「日本が戦争するような国になったら最も影響を受けるのは私たち若い世代だから」と初めて参加した理由を話した。