江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

椿の一生

本日(11日付け)の長崎新聞うず潮」欄に掲載された記事(シカリ作)の原文をアップします。










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「椿の一生」
                                     

 昼の井戸  髪を洗ふと  葉椿の  かげのかまどに  赤き火を焚く<若山牧水>

 「椿は好きですか?」と聞くと、多くの方が「好き」と答えます。この答え、おそらく花を想定してのこと。私も、椿は大好きです。だが、私が好きなのは、4月から5月の若葉に包まれた椿。(もちろん花も好きですよ)瑞々しい緑の葉が、まるで青空に手を伸ばしたような、あの姿が好きなのです。

 思い起こせば、椿には子供の頃から、随分お世話になったものです。花の蜜を吸ったり、花に群がるメジロを眺めたり、二股の枝でパチンコ銃を作ったり、まっすぐな枝を見つけるとチャンバラの刀にしたり、それこそ1年中遊ばせてもらいました。

 大人になってからは、油の利用はもちろん、『食べられる山野草』という本により、花弁を天ぷら・酢の物・ジャムなどとして食べられることを知り、『原色長崎の薬草』では、葉の効用を知りました。その他、木は薪や炭材として利用されていました。椿と言う花木は、その全てに利用価値があるのです。昔から五島の人たちが椿を身近に植えていたのは、防風目的以外にも、このような理由があったからでしょう。

 これほど身近な椿ですが、案外、その生態は知られていません。
 例えば、幼木の時には草木の中の風の当たらない場所を好みますが、成木になると風に強くなります。また、成木になると陽光を好み、10年ほどで実をつけ始め、70年で衰えると聞きます。折角、丸ごと使える椿ですから、その一生を知り、その折々を有効に利用させていただきたいものです。

 ちなみに、昨年、廃校となった富江高校の校章は、椿の葉三枚に「富高」と印してありました。さらに、福江島出身の女性歌手は芸名を『五島つばき』として活動しています。五島人は、こよなく椿を愛しているのです。











五島地方は、今日も、ざ~~まに良か天気ばい。こんな良か天気の日に、シカリは家の中。^^;












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