江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

日本人が見失ったシステム「家族」

江戸時代、子育ての目標は「跡継ぎ」を育てることにあったということです。







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跡継ぎと言うと、長男というイメージがありますが、実は、そうではなかったみたいです。


   
  
 
  

「四民ともに家継せむ子は、よくよくその才器を見さだめてこそ譲るべけれ。これ人々己が祖先へ対して第一の孝道なれ。殊さら国郡の主たらん者は、いかに我子不便なればとて、任にかなはぬものに家をゆづらば、家臣をはじめ国民までも禍を蒙り、後には敗亡にいたるなり。たとひ嫡子たりとも不孝にして任にかなはずばこれを廃し、庶子のうちから一族のうちを択みて家督とすべし」

文藝春秋社刊「江戸の子育て」より




徳川家康の言葉だそうです。





先の著書によると、家康は長男の子育てに失敗し、切腹させたそうです。その子育ての失敗を他人のせいにせず、自らの失敗として受けとめ、子育てに関する教訓を語り続けたそうです。






しかし、『国民のためには嫡子にこだわるな。』という姿勢は素晴らしいですね。これこそ、帝王学(ちょっと、ついていけない表現ですかね)ですね。





現代の親達は、何を目標にして、どのような哲学を持って子どもに向き合っているのでしょうか。












他人の事を言う前に、自分はどのような子育てをしてきたか。





はっきり言って、な~~んもプランも哲学もありませんでしたね。『教育は、学校がしてくれるさ』なんて、呑気に考えていたダメ親の典型です。






でも、何かしらの「こだわり」は有ったような記憶があります。


<記憶に残っているこだわり>

①赤ちゃん言葉は、使わない。
②手先・足先をマッサージして、神経の発達を助ける。
③テレビは、置かない。(子どもが四・五歳くらいになると置かざるを得なくなりました。)
④清潔な環境を保つ。
⑤ひな祭り、子どもの日、七夕、お盆、秋祭り、お正月などの記念日を大事にする。
⑥嘘はつかない。間違って、嘘を言った場合は、相手が子どもでも謝る。
⑦色んな所に出かけ、思い出を作る。
⑧子供達が小学生になると、一緒に年に1回、15kmを歩き通しました。(これは、距離感・時間感覚を肌で知ってもらうことと、親と子の関係を体感させることにありました。)
⑨とにかく健康に育つように。。。。



あんまり、覚えていませんね~。^^;






将来のことは、国立の大学にでも行ってくれて、長崎辺りで就職して、兄弟が近くで生活してくれれば、なんて安易な考えでした。





継がせる家督などもないし、生活さえ安定すれば、それで良いや、という程度でしたね。






ところが、最近になり『家系は、どのようになるのだろう。墓は、誰が面倒を見るのだろう。』などと言う話しを、子供達と一切していないことに気づいたんです。(アホやん)






家族が代を重ねるごとに分離していくということは、例えば、居住の確保など無駄な支出を強いられる。まして、墓まで別々に作るとなると、これまた大きな支出を家系としては負うことになります。






同時に、家族としての繋がりは切れてしまい、助け合うことも出来なくなる。






おそらく、このような家族が全国で増殖し、困ったときには行政に助けを求めるという構図が定着しているのでしょう。






まるで、行政が生活の主役のように。







では、なぜ、このような無様な始末になってしまったのだろうか。それは、他でもない「繋ぐ努力をしなかったから」なのでしょう。冒頭の江戸時代の跡継ぎの話にあるように、昔の人たちは、「家」を繋ぐことに真剣だったという。繋ぐにふさわしい子どもを見極め、それにふさわしい子育てをした。例えば、「家訓」などという「家」としての哲学も確立していた。とにかく、「家」を繋ぐために色んな努力をしていたのです。






これまで努力してこなかったことは残念ですが、気づいた時点で何らかの努力をしようと思っています。





子育てには、「この子をどのような社会人に育てるか。この子に、自分の家系をどのように引き継ぐか。」を考えておく必要があるのです。(『考えていないのは、お前だけだよ』って声が聞こえますが・・・^^;)






現代の多くの親達は、ワシと同じように子供の将来を学校教育に預けてしまっているのでしょう。実は、子供達にとっては、これは大変酷な面があるんですよね。なにせ、途方もない夢を追わないといけないのですから。日々の暮らしに四苦八苦している親の生活を見ながら、子供達は「そりゃあ、ないぜ!」って考えていることでしょう。






子どもを学校教育に預けきりにすることの限界と無責任を知り、自分の手で子どもの将来を切り拓く努力をする風土を取り戻す必要があると思います。






子ども一人ひとりの能力を見つめ、進むべき道を切り拓いてあげる。その子供達、一人ひとりに「家」を経営できる能力をつけてあげる。「家」を引き継ぐ能力をつけてあげる。そのような意識と覚悟を持ちたいものです。





「家族」と言うシステムは、繋ぐ努力が必要なんです。






このことに気づいてこそ、地域の絆の本質が見えてくると思うのです。







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