5日で発生から3週間となる熊本地震。
被災地では住宅の被害が当初の想定を大きく上回り、今のままでは仮設住宅の数が足りなくなる恐れが出てきた。着工の遅れも目立っている。不自由な避難所暮らしや車中泊を続ける被災者からは「早く仮設住宅を整備してほしい」との声が上がる。
◆入居は来月中旬
「避難所から出て、早く仮設住宅に移りたい」
熊本県南阿蘇村の自宅が全壊し、母親(88)らと3人で避難所生活を続ける農業男性(71)は訴える。仮設住宅への入居希望を聞く村の意向調査が始まったのは、今月3日になってから。被害が甚大で村職員の手が回らなかったという。
県は「前震」の15日後にようやく西原村と甲佐(こうさ)町で仮設住宅の建設を始めた。避難者への対応やライフラインの修復に追われ、住宅の被害を調査する人員が不足、その後も地震が多発し、調査自体も難航した。その結果、阪神大震災や新潟県中越地震、東日本大震災と比べて、1週間以上も遅い着工となった。
建設の遅れは、被災者の避難所生活の長期化につながる。仮設住宅への入居が始まったのは、阪神大震災が発生から半月後、中越地震や東日本大震災は約1か月後。しかし熊本地震では、最初の完成は早くても6月中旬の見込みで、入居できるのは発生から約2か月後になる見通しだ。
◆用地確保も難航
今も約5000人が避難所に身を寄せる益城町(ましき)の西村博則町長は4日、読売新聞の取材に、「発生直後は人命救助が最優先だったが、今後は、日常生活を取り戻すため、仮設住宅の建設に全力をあげたい」と強調した。
同町では、500戸の建設を目標とするが、メドがついたのは140戸。震度7を2回観測し、仮設住宅用に計画していた公有地が地盤沈下で使えなくなるなど、用地探しが思うように進まない。
地震に伴う土砂災害が多発した南阿蘇村では、阿蘇大橋の崩落で村中心部と分断された立野地区内での建設を断念し、隣町への建設を検討している。
熊本県が現時点で考える仮設住宅の建設戸数は2100戸。仮設住宅を求める同県内の15市町村に対し、読売新聞が現時点で必要とする戸数を取材したところ、11市町村で計1900戸を超えた。まだ4町村が「わからない」としており、必要戸数はさらに増える見通しだ。今後、県と各市町村の調整が必要になる。
まだまだ、震度4クラスの地震が続く熊本ですが、急かすような記事でごめんなさい。