江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

五島モンパルナス構想(美術・音楽村)

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                            映画『モンパルナスの灯』

長崎新聞:平成19年12月22日付12面記事より】

 五島市は21日、同市の奈留島で定住型の芸術村や同島出身の画家、故笠松宏有さんの絵画展示施設、アートスクールなどを展開する「五島モンパルナス構想」を、来年度から具体化させることを明らかにした。


五島モンパルナス構想とは

 芸術の都、パリのモンパルナスにあやかり、芸術を核に島外から人を呼び込む。芸術村の拠点は、今年三月に閉校した旧船廻小校舎。同構想は、現代美術の拡大、振興などを進める東京の特定非営利活動法人NPO法人)現代美術普及協会(鈴木雅博理事長)が提案し、市が実施を決めた。来年五月に絵画展示施設を開き、芸術家も住み込み始める見通し。


五島モンパルナス構想では

 船廻小の一部を笠松記念館とし、絵画約20点を常設展示。定住型、長期滞在型の芸術村は、空き家の教員住宅などをアトリエ兼住居とし、芸術家らが居住。創作活動に没頭する一方、船廻小で絵画や写真、陶芸、彫刻、音楽など分野ごとに市民や市内の子供らを指導。さらに、芸術系の講師を招き、アートスクールや企業社員研修などを行い、交流人口拡大の起爆剤とする。現代美術普及協会が全面協力する。


 なかなか面白い構想だ。
 経済優先の行政手法が主流の日本において、芸術に主眼をおく取り組みは面白い。もちろん、交流人口の拡大と言う目的もあるのだろうが、「こころ」を育てることを中心におくことは歓迎したい。
 ちなみに、五島市では「心のふるさと市民」(市外在住者に応援団として登録してもらうもの)という取り組みも進めており、市内外の「こころ」の交流が盛り上がる事を大いに歓迎し、期待する。



芸術家たちのモンパルナス(ウィキペディアより)

 セーヌ川の反対側の地区・モンマルトルと同様、モンパルナスは20世紀前半、世界の芸術家の集う地として有名になった。特に第一次世界大戦後の開放感と好景気で浮かれた狂乱の時代(Années Folles)といわれる1920年代、モンパルナスはパリの知識人・芸術家の生活の中心となっている。1910年ごろから、パリの芸術家のサークルは、印象派など前の世代の芸術家たちの揺籃の地であったが観光地や高級住宅街となってしまったモンマルトルから、次第に家賃の安いモンパルナスに移動した。
 意志が強く頑固で論争を厭わない、モンマルトルに住むピカソら移民の芸術家たちは、19世紀末に活躍したパリっ子のエミール・ゾラエドゥアール・マネエドガー・ドガガブリエル・フォーレたちや、ダンディさを洗練させることに浸って実際の芸術的傾向よりも地位から来る親和性によって集まるフランス人の芸術家集団とは、経済的にも社会的にも政治的にも対極にあった。こうした移民芸術家たちが1910年代以降、モンマルトルを去りモンパルナスへと移る。