国民に寄り添う安倍政権を代表して私・桜田が本音を言います!!「震災復興より選挙が大事だって」
毎日新聞、4/10(水) 22:53配信
「復興五輪」の仕切り役の桜田義孝五輪相の突然の辞任。繰り返された失言には、東日本大震災の被災地に関するものもあり、東北の被災地や、液状化被害に苦しんだ住民もいる地元・千葉県民からは「被災地を愚弄(ぐろう)している」など厳しい指摘も相次ぎ、統一地方選への影響を懸念する声も漏れた。
桜田氏が失言したのは、岩手県が地元の高橋比奈子衆院議員(比例東北ブロック)のパーティー。震災で住民の1割弱が死亡・行方不明となった同県大槌町出身で、自民党県連幹事長の岩崎友一県議は「誠に遺憾。それ以外にない。被災地を愚弄している。復興五輪が薄れてしまう。残念を通り越して言語道断だ」と憤った。
桜田氏は3月にも自身の選挙区内の集会で「(震災時に)国道や東北自動車道が健全に動いていた」などと事実誤認の発言をし、謝罪。4月9日の参院内閣委員会でも、被災地の宮城県石巻(いしのまき)市を3回にわたり「いしまき」と言い間違えた。聖火リレーの出発地誘致活動をしてきた石巻市体育協会の伊藤和男会長(72)は「政治家に向いているのかな。復興五輪がこんな形で話題になり残念」と話した。
一方、桜田氏は地元・千葉では自民党県連会長。統一選で陣頭指揮する立場だが、7日に当選したばかりの自民県議は「しょうがない人。自らとどめを刺した。副国交相の辞任もあり『またか』と有権者が思うかも」。別の自民県議は「統一選後半戦で自民に対する逆風は確実にある。浮動票を取り込めず、厳しい戦いになるのではないか」と嘆き、14日に告示が迫る船橋市議選に出馬する自民市議は「自分の選挙には関係がないと思って頑張りたい」と自らに言い聞かせた。
識者らは「政権のおごり」と批判する。被災地で取材を重ねるフォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「国会でも答弁書をなぞるだけで、被災地への思いがにじむことはなかった。生活でいっぱいいっぱいで、このような発言に怒るエネルギーさえなくなっている被災者もいることを知らないのではないか」と憤りを隠さない。
政治アナリストの伊藤惇夫さんは「今回の失言は『またやったか』では済まない。何度も更迭すべきタイミングはあり、遅すぎた。復興五輪の担当大臣が復興を巡る失言とはまったく自覚がなく、派閥推薦丸のみで組閣した安倍内閣の慢心やおごりが表れている」と非難した。【藤井朋子、百武信幸、町野幸、千脇康平】