17日に立ち上げられた不正・偽造統計の特別監察委員会なる厚労省認定の「第三者委員会モドキ」機関は、まるで、シカリさんの仕事ぶりのように、わずか4日ほどで、チャチャッと調査し、サラ~と22日に結果報告をしました。
報告内容もシカリさんの仕事のように内容が薄く、根拠に乏しく、先々、問題が噴出するだろうことは見え見えの内容。
さらに、この結果を受けた厚労省の職員処分も、とってつけたような「形だけ」の処分。この処分の内容自体が、厚労省の今回の統計不正・偽造を軽く受け止めていることを自白しているようなものだ。
普通なら、クビだよ、クビ!!
関与した職員も閣僚も。
統計不正、厚労次官ら22人処分 幹部関与も隠蔽認めず
共同通信社、1/22(火) 16:12配信
毎月勤労統計の不正調査問題で、厚生労働省は22日、鈴木俊彦事務次官を訓告とし、退職者も含む歴代の幹部計22人を処分した。同省の特別監察委員会は、報告書を公表し、計画と異なる抽出調査は統計法違反に当たると認定。担当者は不正を認識しながら漫然と踏襲し、局長級の職員も報告を受けていたが放置したと指摘した。一方で「意図的に隠したとは言えない」と組織的隠蔽を否定した。
根本匠厚労相は午後に改めて記者会見し、法違反は「極めて遺憾」としつつも刑事告発を見送る考えを示した。根本氏と副大臣2人は就任から今月までの給与と賞与を全額返納。政務官2人も同期間の給与を返納する。
シカリさんは、「不正・偽造問題」と表記していますが、なぜ、このような表記をするかと言うと、04年から17年までは、サンプルを誤魔化して3分の1の調査結果を公表していたということで「不正」ですね。ところが、18年はアベノミクスの成果として賃金が上がったことを印象付けるためにサンプル数はそのままで、出た結果に対して補正を行っていたということで「偽造」と判断しています。
マスコミの皆さん、言葉遣いは正確にしましょうね。
間違っても政府が正確な表現をするわけないのですから、政府発表を受けて、自分で考えて、常識的な表現に努めて下さいね。
勤労統計不正「漫然と踏襲」 特別監察委認定
毎日新聞、1/22(火) 16:51配信
厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の不正調査問題で、同省の特別監察委員会は22日、「課長級職員を含む職員、元職員は抽出調査の事実を知りながら、漫然と従前の取り扱いを踏襲」と認定した。また「部局長職員も実態の適切な把握を怠り、是正せず」と指摘した。
さらに不正調査が始まった経緯について「2003年までの集計方法の廃止に伴う調査対象数の増加の抑制に配慮した」とした。
今回の統計不正・偽造問題は、日本と言う国家の予算・主要計画等に強く影響を与えるもの。
にもかかわらず、あまりにも軽い調査結果だ!
「統計法違反が一部にあった」・・・はあ?勤労統計全体をゆがめているでしょう?なんで、あえて「一部」と言うの?「東京だけ」と言いたいのだろうが、主要部分だよね。
「担当者が判断し・・・、隠蔽の意図は認められず、・・・部局長級職員は実態の適切な把握を怠り、是正しなかった」???
「事業所からの苦情で・・・」・・・はあ?苦情を受ければ統計手法を変えるのか?その事業所の苦情を伝えてきたのは誰ですか?社長さん?それとも、社長さんのお友達の政治家さん?
なぜ不正を始めたのかは調べていないのか?担当者(係長)が始めたとしても、のちに課長には相談しており、さらに参事官級の職員にも報告をしているんですけど。
この特別監査委員会の記者会見の場で、記者から「組織的隠ぺい」を問われた樋口委員長は回答できず別の委員が「意図があると認定するには無理がある」と答えたそうだ。
委員長さんは、調査報告書の内容、つまり、事件の内容を把握していないのではないですか?
さらに、その後、この委員長さん曰く。
「『組織的不関与』が問題だった」とおっしゃった。^^;
様々な不正・不適切な対応があることを知りながら、総務省には「全数調査をしている」と報告し、それを知りながら上から下まで、黙りこくっている。
この状態を「組織的不関与」と安倍晋三バリの言い換え、誤魔化し、ウソで乗り切ったつもりだろうが、委員長さん、あんた、アホやで。
不正を知りながら、全員が事実を対外的に公表しないことを「隠蔽」と言うんじゃないの?「組織的不関与」とは・・・あ~~~、おもろ。
「毎月勤労統計」 組織的関与か 国会の閉会中審査での解明が焦点
毎日新聞、1/21(月) 20:18配信
厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」で、ルールに反する抽出調査は2004年から15年間も続いていた。不正な調査手法を容認するマニュアルが作成され、その後に削除されたり、全数調査に近づけるためのデータ補正をしながら公表していなかったり、組織的な関与や隠蔽(いんぺい)をうかがわせる不審点がいくつも浮上している。24日に行われる国会の閉会中審査でどこまで解明できるかが焦点になる。
◇なぜ抽出調査?
不正調査問題は、厚労省が04年1月分から、本来は全数を調査するルールの従業員500人以上の事業所について、東京都内分は3分の1程度のサンプル調査に変更していたことに始まる。
事業所への調査は都道府県に委託して実施されている。厚労省幹部は「厚労省にとっては全数調査の方が楽。抽出作業は手間がかかるのに、なぜそうしたのか理由が分からない」といぶかる。
◇違反容認マニュアル
「500人以上の事業所は東京都に集中しており、全数調査でなくても精度の確保は可能」。ルール違反を容認するような記述があるマニュアルは03年に作成されていた。
15年分のマニュアルからこの記述が削除されていたことも判明しており、不正を隠蔽するため削除した疑いもある。16年10月に厚労省が総務省に提出した書類には「500人以上は全数調査」と虚偽の内容が明記されていた。組織的に不正を把握しながら隠そうとした疑念は拭えない。
◇ひそかにデータ補正
18年1月分から、都内分を本来の全数調査に近づけるため「データ補正」をしていた。
この時点で抽出調査がルール違反であることや、前年までの調査結果が実態を反映していないことを認識していた可能性が高いが、厚労省は補正を始めた経緯や理由を一切公表していなかった。この不審点も閉会中審査や厚労省特別監察委員会の検証の焦点になる。
◇3府県に拡大検討
18年6月には、不正調査を神奈川、愛知、大阪の3府県にも広げようとしたのか、本来調査すべき対象事業所を1割程度削除したリストを課長級職員が3府県に送付していたが、3府県には「抽出に切り替える」と告げていなかった。【神足俊輔、大久保昂】
普通なら国会で国政調査権に基づき調査委員会を立ち上げるべき事案だ。
福島の東電原発の爆発に匹敵する事案なのに、与党はもちろん野党からもそのような発言は聞こえてこない。
さらに、野党の情けなさを示すのが、この統計不正・偽造では、雇用保険・労災保険以外にも広く国民生活に影響が出るはずなのに、「こうした分野にも影響が出ますよ」というアピールもない。国会内で官僚をつついているだけで国民の方は向いていない。揚げ足取り。パフォーマンス。
まあ、正月早々、伊勢神社お参りをして、高らかに政治家としてのステータス達成を自慢するような低能な政治家が多いからこのざまだよ。
もう一つ、18年のデータ補正と言う偽造を誰が指示したのか。この指示をした人間は、それまでの統計不正によるメリット・デメリットを知っている人間であり、ひょっとしたら、不正を指示した人間かもしれない。
まあ、ドタバタと国会開会を前に、「形をつくろった調査と処分」というありきたりの安芝居を見せられただけの話し。