TBSNEWS、5/16(水) 7:52配信
加計学園の獣医学部が、後に開設される愛媛県今治市に内閣府職員が3年前出張した際、加計学園の車を使っていたことについて、当時の出張記録に「官用車」と記されていることが、内閣府が野党側に提出した資料で明らかになりました。
梶山地方創生担当大臣は、2015年8月に当時の藤原内閣府地方創生室次長が今治市に出張した際、加計学園の車を使っていたことを衆議院予算委員会の集中審議で認めています。
一方、15日の野党合同ヒアリングで、内閣府が提出した出張記録に関する文書には、岡山市内から今治市内と今治市内から松山空港の移動の際の交通手段について、「官用車」と記されていて、梶山大臣の説明と矛盾する形となっています。梶山大臣は、会見で、「旅費法や国家公務員の倫理規定に反するかどうかという面でも確認作業をしている」と話していますが、今後、野党側が追及を強める可能性もあります。(16日00:03)
日刊ゲンダイ、2018年5月16日<著:金子 勝:慶應義塾大学経済学部教授>
安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう。
安倍政権が掲げた「経済政策」の最重要課題は「デフレ脱却」だった。黒田日銀は5年前「2年間で物価を2%上げる」と宣言した。ところが、達成時期を6回も延長したうえ、とうとう「物価上昇率2%」の達成時期を「撤廃」した。大失敗だ。
「財政健全化目標」も、2020年から2025年へ5年も先送り。借金は膨れる一方だ。「待機児童ゼロ」も減るどころか、増加の一途をたどっている。「女性活躍」は、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラに対して、麻生副総理は「(女性記者に)はめられた」とセカンドレイプのごとき発言を繰り返し、安倍首相本人は口をつぐんだままだ。
さらに、「成長戦略」の柱として何度も「セールス外交」を行った「原発輸出」は、次々に頓挫している。ベトナム、台湾は建設中止、リトアニアは建設凍結、イギリスは事業費が3兆円に膨張し、大手銀行の融資に政府保証をつけても立ち往生。トルコも事業費が4兆円に倍増し、伊藤忠が撤退。この5年間、安倍政権の「成長戦略」で成果を上げたものは、ほとんど見当たらない。
「外交の安倍」を自負しているようだが、外交政策も、北朝鮮問題は「蚊帳の外」に置かれ、北方領土は1ミリも返還されず、TPP離脱の米国には2国間貿易交渉を迫られる始末だ。
安倍政権の政策はことごとく失敗に終わっている。考えてみると、この5年間、安倍政権は、行き詰まるたびにスローガンを変えてきた。「3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)といった調子だ。失敗を隠すために、次の政策目標を掲げるという繰り返しだった。
森友・加計疑惑も、嘘がバレるとスリカエと居直りとごまかしに終始し、また嘘が発覚するというパターンである。
政策論争をして困るのは、実は安倍首相自身だろう。安倍応援団メディアは、このことを分かっているのだろうか。