安倍晋三のウソ吐き口は、日本人の命も危うくする
バングラデシュでの人質テロ事件で犠牲となった日本人7人が無言の帰国をし、悲しみが広がっている。去年11月にはパリで同時多発テロがあったが、妻を亡くしながらも「私は君たちに憎しみを与えない」とフェイスブックに投稿した遺族がいた。その思いとは―
去年11月、フランス・パリで同時多発テロがあった。その直後、ある遺族が、テロリストに向けたこんなメッセージをフェイスブックに投稿した。
「私は君たちに憎しみを与えない。君たちの負けだ。私はこれまで通りに暮らし続ける」
この投稿は世界で20万回以上シェアされ、大きな反響を呼んだ。投稿したのは、パリ同時多発テロで妻を亡くし、当時1歳5か月の息子とふたりきりになってしまったアントワーヌ・レリスさん(35)。「憎しみを与えない」という言葉にこめた思いを知るべく、来日していたレリスさんに話を聞いた。
――息子さんは何歳になりましたか?
「2週間前に2歳になりました」「よく笑う子です。アルファベットの勉強も始め、音楽やお話も大好きです」
そのメルヴィル君の母でもある妻・エレーヌさんはコンサートを見に訪れたバタクラン劇場で、テロリストの銃弾に倒れた。レリスさんは、当時のことをこう語る。
「ニュースを知った時、ぼんやりして、何も考えられませんでした。頭の中が濃い霧におおわれているようでした」「彼女は、私にとっての四季でした。太陽であり月であり、寒さであり、暑さであり、全てでした」
――「君たちを憎まない」との言葉、どんな思いで書きましたか?
「“憎しみ”の感情が私の心のドアを叩いていました」「でも“憎しみ”という言葉を使うと、“憎しみ”がそのドアから入ってきて、人生の色をすべて白黒に染めてしまう気がしました。その危機から私は家族を守りたかったのです」
レリスさんは、お子さんが憎しみを持って生きることを避けたかったのかもしれない。レリスさんは作家で、テロ後の12日間を本に書いている。その中では、“テロリストを憎まないことにした”という自分の決意が時に揺らぐこともあると告白している。
「私は聖人ではありません。自分の弱さに負ける事もあります。ただ、理性で乗り越えようと努力しています」「一生憎しみに支配されて生きることのほうがよほど難しい」
――レリスさんはレリスさんの人生を取り戻せましたか?
「この間、息子と涙が出るほど、笑い転げたとき、昔と同じ笑い方だなと気付きました」「数か月の道のりがありましたが、ようやく大笑いをする所まできました」「妻は今も私と一緒にいるのです」
――テロに対して私たちはどう向き合えばいいでしょう?
「これという大きな答えはありません。ただ、私としては、恐怖を受け入れ、理性と明晰(めいせき)さをもって、それを支配するしかないと思います」
レリスさんは、自分の状況を冷静に、客観的に話してくれたが、ちょっとしたきっかけで、感情が崩れてしまいそうな危うさも感じられた。そんなレリスさんが「私は闘っています。それでも、憎しみはありません」と語ったその言葉は、どんな暴力にも屈しない世界を変える力があるように思われた。
バングラデシュの首都ダッカの人質立てこもり事件で現場で死亡した実行犯5人のうち1人が、昨年10月に同国北西部で起きた日本人男性殺害事件で指名手配されていたことがわかった。ダッカ首都圏警察の幹部が6日、明らかにした。
北西部ロングプールで昨年10月、岩手県出身の星邦男さん(当時66)が、オートバイで近寄ってきた複数の男らに撃たれ、殺害された。ダッカの人質事件と同じく、過激派組織「イスラム国」(IS)バングラデシュを名乗る組織が犯行声明を出した。
26日放送の「ここがポイント!!池上彰解説塾」(テレビ朝日系)で、池上彰氏が「イスラム国」日本人人質事件の原因について触れる一幕があった。
番組では、過激派組織「イスラム国」とみられる武装グループが日本人2名を人質に取った事件を特集。
事件の大きな原因として、池上氏は「安倍総理大臣のカイロでの演説がイスラム国を怒らせたという説もあるんですね」とまず指摘した。
安倍晋三首相は17日、エジプト・カイロで中東情勢の安定化に関する演説をしており、その中で「『イスラム国』と闘う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と宣言していたのだ。
安倍首相にとって、この「2億ドル」はあくまで人道支援のために提供するものだ。しかし、池上氏の話によると、「イスラム国」側の見方は異なるという。
池上氏は「イスラム国と戦う国に支援をするということは、日本もイスラム国の敵だなと。そういうふうに(「イスラム国」が)受け止めた」と解説。
さらに、池上氏は「イスラム国に共鳴する過激派というのは世界あちこちにいるわけですね。そうすると、海外にいる日本人が狙われるかもしれない、その危険性が前よりは高まったということもいえるでしょう」と話し、警鐘を鳴らしていた。(ライブドアニュース)