先日はアメリカで、今回はイギリスで、組織と関係が不明なテロ行為が発生しました。これは、何を意味するのでしょうか。
＜英国＞地下鉄２人刺傷 容疑者逮捕「シリアのため」と叫び
【パリ矢野純一】ロンドン北東部の地下鉄駅構内で５日午後７時（日本時間６日午前４時）ごろ、男がナイフで周囲にいた人を無差別に刺し、１人が重傷、１人が軽傷を負った。男は駆けつけた警察官に逮捕された。男は「シリアのためだ」などと叫んでおり、ロンドン警視庁はテロ事件として捜査している。
現場はロンドン北東部の移民が多く住む地域にあるレイトンストーン駅。英メディアによると、男は刃渡り約７．５センチのナイフで被害者ののどなどに切りつけ、「お前たちがシリアにひどいことをすれば、血を流すことになるんだ」と叫んでいたという。駆けつけた警察がスタンガンで男を制圧し、逮捕した。ロンドン警視庁テロ対策部隊の司令官は「テロ事件として扱っている」と述べた。
男の身元などを明らかにしていないが、２９歳のイスラム教徒との情報がある。動機も不明だが、事件当時の男の発言から、英国が３日から始めたシリア領内の過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）に対する空爆への報復の可能性があるとみられる。ＩＳが犯行声明を発表していないほか、ほかに刃物や銃などを準備していないとみられることから単独犯との見方を強めている。
英国では２００５年７月に地下鉄などを狙った同時多発テロで５２人が死亡した。事件後、反テロ法を改正して警察などの権限を強化。テロを称賛しただけで身柄を拘束するなど対策を強化していた。
しかし、１３年５月にはロンドン南東部でイスラム教徒２人が非番の英兵士をナイフで殺害するなど、個人や小グループによるテロが起きている。組織的・計画的な犯行とともに、通り魔的なテロ関連事件も目立っており、テロ対策の見直しが迫られている。
パリで先月起きた同時多発テロを受け、英国では公共交通機関や観光施設などを重要警戒施設と位置づけ、警戒を強めていた。キャメロン首相はパリのテロ事件後、今年だけで英国内で７件のテロ計画を未然に防いだことを明らかにするとともに、「英国はテロリストに最も狙われている国」として情報機関の職員を７０００人増員する計画などを発表していた。
最終更新:12月6日(日)23時13分
シカリさんは、これまで何度も政治家たちのイスラム国への対応がテロの拡大を生むと発言してきました。
一部では、テロをイスラム教と単純に直結して、反イスラムの動きも出てきています。さらには、帝国主義諸国による中東各国への空爆により生活が立ちいかなくなり脱出した難民に対してもその矛先が向けられています。
このようなムードを利用するかのように、政治家たちは「対イスラム国」を声高に主張して自らの任期を上げようと躍起になっています。
現在、世界各地で頻発している未組織テロは、何を意味するのでしょうか。実は、ここにこそ、テロの本質が表出していると思います。それは、「個人的な殺人に根拠を与える」ことこそが、現在の幼稚な、あるいは不純な意図のテロ対策の結果と言えるのです。
人間誰しも怒りに震える時もあるでしょう。絶望で自らの死を願望する時もあるでしょう。しかし、多くの人が、そのような絶望の淵から自然と逃れ、生き延びる方向へ気分を転換しています。そこには、わずかながらでも自らの人生に望みを見出し、同時に、自らの死や、他者を巻き込むことに対する根拠がないことから、前へ進めないからです。
しかし、社会の矛盾がテロとして表れていることを、多くの人がなんとなく感じだした時に、感情のすり替えが可能となるのです。
帝国主義各国が「イスラム国、イスラム国」と騒げば騒ぐほど、テロと言う行為が、あたかも社会の矛盾を解決するかのような錯覚を一部の人々に与えてしまうのです。つまり、テロが、個人的絶望の果ての行為のはずが、社会的意義を持つ英雄的行為として映り、絶望者たちに反社会的行為にジャンプするチャンスを与えてしまうのです。
こうした傾向は、自らの人生に絶望している人々を、テロへといざない、歯止めの利かない形の見えない戦争へと人類を叩き込むのです。
日本においては、安倍晋三をはじめとする自民党が、その馬鹿な対応をとる尖兵です。こうしたアホな連中から政治の主導権を取り戻し、状況を冷静に分析し、本質を見据えることが出来る政権を作ることが必要です。先の安保法案への怒りを維持できている皆さん、来年の参議院選挙に向けて、発言の機会を高めましょう。一部では、衆参同時選挙がささやかれ、安倍晋三は「そんなことは考えていない」と言っています。しかし、それは「現在は」という裏が見え隠れする発言です。なにせ、橋下徹を有力な味方とするためには、衆参同時選挙が必要なのですから・・・。皆様、ゆめゆめ油断なさらぬように！
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