お心肥(しんこやし)
その影響で、「学歴偏重」の社会の弊害が言われるようになり、
人間性の涵養の必要性に注目が集まるようになってきた。
しかし、このような当然のことが、なぜ、無視されてきたのだろうか。
昔から、日本では「知識」のみが、優先されて来たのだろうか。
越川禮子著の『商人道「江戸しぐさ」の知恵袋』から、引用させていただくと、次のようなことらしい。
お心肥(しんこやし) ・・・・頭の中を豊かにして、教養をつけるといった意味。ただし、江戸っ子のいう教養とは「読み書き算盤(そろばん)」だけのことではない。 本を読むだけではだめで、手や足を実際に動かし、見聞し、体験し、頭をはたらかせて自分で考えて、初めてその人の教養になる。人間はおいしい物を食べて体を肥やすことばかりを優先しがちだが、「それではいけないよ」と戒めている。 立派な商人として大成するには、とにかく人格をみがくことを第一とした。・・・・中略・・・・江戸の教養の究極は、人を育てることに尽きるそうだから。 「お天道様(太陽)と米の飯はついて回る。人間はご先祖さまや仏さまに見守られて、みんな平等のもとで生きている。だから、今夕(こんせき)、今、この一刻、この出会いを大切に生きていこう。」 その精神を育む教養を身につけることが大切とされた。外は、すっかり、春模様になってきました。
本日は、故あって休暇を頂いております。
日本の指導者の皆さんの「心の碇」は、しっかり海底をつかんでいるのでしょうか。
共生を基本とした江戸の知恵を、現代に復権させたいと日々念じているシカリであります。