平和主義は幻想なのか?【アウフヘーベン】
皆さん、お早うございます。
五島地方、今日は、晴れ空でスタートです。
ロシアのウクライナ侵攻は、色んな意味でワシ等に問いを投げかけていますね。
また、コロナ禍のあとの世界観についても色んな人が持論を展開しています。
暴力と感染症と言うキーワードをもとに、人間の生きる道を問いかけているみたいです。
確かにそうかもしれないですね。
第二次世界大戦後、何となく『人間社会は向上していく』と言う気になっていたのが、いきなり19世紀のような領土の侵略が始まり、ウイルスに怯えて行動範囲を制限され、経済そのものが危うくなっている。
そんな中、ベルリンの壁崩壊後、国造りで優等生のように進んできたドイツですが、そこでも弱気な発言が出ているようです。
発言の主は、メルケル前首相の軍事顧問を務めたエリッヒ・ファートさん。
このお方が、時事通信のオンラインでのインタビューで、次のような認識を示したそうです。
<今回の事態で自国防衛の必要性に直面したが、備えは全くなかった。計画通り国防費が国内総生産(GDP)比2%に増えれば、米中に次ぐ世界3位となる。ただ、支出拡大だけでなく、平和への積極的行動や非常時に武器を取って戦う覚悟も必要だ。>
<残念ながら、暴力は過去も未来も外交の一手段だ。多くのドイツ人は目をつぶり、「世界は良い方向に向かっている」と考えてきたが、今は幻想から目が覚めた。>
<核共有政策については、反対は強かったが、変わった。(政権与党で平和主義を掲げる)緑の党も支持している。>
第二次世界大戦後、小規模な局地的戦争は続いていたものの、各国はそれでも「平和な世界づくり」「核兵器からの脱却」を目指して様々な枠組みを模索してきた。
そして、そうした取り組みの中心にいたのがドイツだろうと思う。
そのドイツの政策立案の中心的役割を担ってきた人物の発言には、正直、驚く。
東西冷戦の中、いわゆる西側を守るのはアメリカの役目のような流れで来ていたと思うが、今回のロシアの行動で、こうした構造の弱点、限界が露呈されてしまった。
そうした枠組みは、アメリカにとっても利益があり、参加各国にとっても少なからず利益があったと思う。
そして、そうした枠組みの行く先には、平和な世界が構築されるものと思えていた矢先のこの事態。
怯え、構えるのは、自然な成り行きかもしれませんね。
そこで、我が日本の政治家たちも、「防衛費増額」「核の共有」などと言い出している。
怯え、構えるのが人間として動物として自然な反応だとしても、それで良いのでしょうか。
その怯えは、現実を見ているようで、まだ、十分とは言えないと思う。
なぜなら、ウクライナでの戦乱で、ロシア、ウクライナ両国がどれだけの戦費を費やしているか。
イギリスの戦争研究所の試算では、ロシアは1日あたり、2兆五千億円から3兆円を使っていると見ているが、ウクライナも相応の金額を使っているとみるのが妥当だろうから、両国では、5兆円から6兆円の戦費を使っていることになる。(外国からの支援分も含めて)
膨大な無駄遣いで、国民・兵士の命を奪い、傷つけ、日常を奪ってさまよう生活に落とし込めている。
このような膨大な戦費を費やしての国防が果たして現実的なのか。
決して、そうではない。
現代の資本主義社会では、富を特定の資本や個人に集積はするが、国家にはそれほど集積できない。
なぜなら、資本が阻止するから。
そして、かつてのように植民地を持たないから、湯水のように戦費を使えない。
こうした、19世紀と21世紀の社会の違いを認識すれば、平和主義がいかに現実的な選択なのかわかると思う。
衝撃的な混乱を目の前にして、動揺するのは分かるが、判断を誤ってはいけない。
今、必要な議論は、「防衛費増額」や「核共有」の議論ではなく、国連改革の議論ではないでしょうか。
常任理事国の拒否権などと言う不当な仕組みを改め、21世紀以降の世界の平和の維持のためには、どのような仕組みが有効なのか議論をすべきです。
そして、有能な政治家や学者の皆さんは、混乱の社会から、平和な社会へのアウフヘーベンについて提唱し、指導すべきです。
『みんな~、平和な社会を目指して、この混乱の社会をアウフヘーベンしよう・・・・』
今日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
今日一日が、皆様にとりまして、素晴らしい一日となりますようお祈りいたします。
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<4月4日の誕生花>
カスミソウ
花言葉:清らかな心、無邪気、親切、幸福
<画像は、ネットからお借りしています>