皆さん、お早うございます。
五島地方、今日も、曇り空でスタートです。
『16日侵攻があり得る』と言われていたロシアによるウクライナ侵攻。
国境線には、ロシア軍約15万人が集結しており、その数はロシアの陸軍の約半数と言われており、プーチンの強い意志が感じられます。
繰り返される国境付近での演習で、ウクライナ国民はもとより、アメリカ、NATO諸国、ウクライナ在留外国人やその関係国の皆さんは、ハラハラドキドキで見守るのみ。
一方、ウクライナ国内では、東部の二つの州が独立(ロシアの傘下に)を目指す動きを続け、一般のウクライナ国民は、大人はもとより子供まで、ロシアの侵攻に対して断固戦うとして軍事訓練に余念がない状態になっている。
こうした政治的・軍事的緊張を東欧全体にもたらしているロシア連邦共和国大統領プーチンとはいったい何者なのか。
一言で言うと、「諜報の達人」。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン(1952年10月7日 生 )
・レニングラード(現サンクトペテルブルク)に生まれ
・レニングラード国立大学で法律を学び、1975年に卒業
・KGBの対外情報部員として16年間勤務し、中佐まで昇進
・1991年に辞職し、サンクトペテルブルクで政治活動を開始
・1996年にモスクワに移り、エリツィン大統領の政権に参加(連邦保安庁長官、連邦安全保障会議事務局長)
・1999年8月に首相に就任
・1999年から2008年まで大統領職に就いていた。また、1999年から2000年まで、2008年から2012年まで首相を務めた。(エリツィン辞任後、プーチンは大統領代行に就任し、4カ月足らずで大統領に初当選、2004年に再選を果たした。その後、憲法上、連続2期の大統領就任が制限されていたため、2008年から2012年までドミトリー・メドベージェフの下で再び首相を務め、2012年の大統領選挙では不正疑惑と抗議行動により大統領に復帰し、2018年に再選された。2021年4月、国民投票を経て、あと2回再選に立候補できるようにすることを含む憲法改正案に署名し、大統領の任期を2036年まで延長する可能性がある。)
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あらゆる情報を収集管理し、政敵の発言も封じてしまうなど、独裁色の強い人間ですね。(当然、利害が反する外国への情報戦も巧みで、サイバー攻撃の中にはロシア発と見られる攻撃が多く含まれているらしい)
情報管理を基に、官僚・軍人を掌握し、政治経済を意のままに動かそうとしている。
日本における安倍政権から始まった内閣人事局による官僚支配と同じようなものですね。
ところで、22年を超える大統領・首相としてロシアのリーダーを務めているわけだが、成果は上げることが出来ているのだろうか。
最初の大統領在任中には、経済は8年連続で成長し、購買力平価で測定したGDPは72%増加し、実質所得は2.5倍、実質賃金は3倍以上まで成長し、失業と貧困は半減し、ロシア人が自己評価する生活満足度は大幅に上昇したそうです。
ロシアの輸出の大部分を占める原油価格・ガス価格も5倍になり、共産主義後の恐慌や金融危機からの回復、海外投資の増加、慎重な経済・財政政策の結果であると言われている。
同時に、第二次チェチェン戦争でロシアは勝利し、メドベージェフ政権下で首相を務め、大規模な軍事改革や警察改革、南オセチア紛争でのロシアの勝利を指揮している。
いわば、向かうところ敵なし状態だったわけです。
ところが、3期目の大統領時代には、2014年初頭のウクライナへの軍事介入とクリミア併合を行ったことにより、国際制裁が加えられ、同時に、原油価格が下落し、2015年のGDPは3.7%縮小しています。
一方では、プーチンは権威主義の傾向を強め、政敵の投獄と弾圧、自由な報道機関の脅迫と弾圧、自由で公正な選挙の欠如を挙げ、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの民主主義指数およびフリーダム・ハウスの世界の自由度指数のスコアでロシアは低くなっている。(言うまでもないけど)
さて、注目のウクライナですが、よく言われているのが、NATOとロシアの緩衝地帯。
ソ連崩壊後、東欧諸国が次々にNATO入りを続け、確かに、ロシアにとっては面白くない状態が続いてきた。
2014年2月、ウクライナでは当時の親ロシア政権に抗議する市民を治安部隊が銃撃し、100人超の死者を出し、責任を問われるのを恐れた大統領が逃亡し、親欧米路線の政権が誕生したが、これに反発したロシアが強行したのがクリミア半島併合。
直後にプーチン政権の支援を受ける親ロシア派勢力がウクライナ東部の一部を占拠し、ウクライナ軍と武力衝突が始まり、翌年2月、停戦合意が結ばれたが、ロシアの強い意向が働き、ウクライナが親ロシア派支配地域に自治権を与えるとの項目が盛り込まれたわけです。
その後、ロシアはクリミア返還の協議には一切応じず、東部紛争では自治権付与に必要な法整備が進まないとウクライナを批判し続け、和平プロセスは止まったままとなっています。
今回のロシア侵攻に対するアメリカなどからの抗議を受けてプーチンが出した要求は、三項目。
(2)NATOの東方拡大が決まった1997年以降、東欧に配備した部隊、兵器を撤去
(3)ミサイル配備や軍事演習の制限
この要求の背景には、14年にウクライナ危機が起きた原因は、『ウクライナへの欧米の支援と90年代からロシアの反対を押して進められたNATO拡大にある』と言う、ロシア(プーチン)の思惑がある。
こうした情勢の中で、我が日本はどのように動いているのかと言うと、林外務大臣が15日夜、オンラインで開かれたロシアとの貿易・経済をめぐる閣僚会合の冒頭、ロシアのレシェトニコフ経済発展相に対し、ウクライナ情勢について「重大な懸念」を伝えたとのことです。
ただ、この会議については、自民党の16日の外交部会などで、ウクライナ情勢が緊迫する中、「外務省のちぐはぐ感と当事者意識のなさが半端ないと言わざるを得ない。制裁を検討している相手に対してなぜ経済協力なのか」と批判を浴びている。
それはそうですよね、在留邦人に対して「国外退去」を求めながら、一方では、今後の経済協力について協議をするなんて、あり得ない。
これに対して、外務省は「日ロのチャンネルを閉ざすべきではなく、日本側の立場をしっかり訴えることを重視した」と言っているけど、それならば、ロシアの駐日大使を呼んで伝えれば良いだけのこと。
なんとも、チグハグ。
岸田政権の脆弱さが見え見えです。
とは言え、政府としては対ロシア制裁も検討しており、ハイテク製品の輸出規制、プーチン大統領につながる個人や企業の資産凍結案が浮上している模様です。
さらに、ウクライナに対しては、「ウクライナは自由、民主主義といった基本的価値観を共有する重要なパートナーだ」として、ウクライナ側の要望を踏まえ1億ドル(約116億円)の借款供与を明らかにしています。
ウクライナ国内には、約130人(14日時点)の邦人が滞在しており、両国の協力関係はとても重要だと思いますが、果たしてこの資金が平和目的で使われればいいのですけれど・・・。
他のNATO諸国を含めて、アメリカの呼びかけに応じた包囲網が構築されているわけだが、果たして、ロシアによる侵攻はあり得るのか。
まず、その前に、なぜ、プーチンはウクライナにこだわっているのか。
それは、先ほども書いたように「緩衝地帯を狭めたくない」と言う意義以外にも、2014年のウクライナ政変をめぐる「プーチンの勘違い」が根底にあると言われています。
それは、ウクライナ国民が自由を守るために自主的に立ち上がった闘いなのに、プーチンをはじめとするロシアの要人たちは、「ウクライナ市民は、NATOに騙されており、ロシアが目を覚まさせれば一緒にやれる」と言う風に考えているのです。
しかし、残念ながらウクライナ市民は、むしろ専横的なロシアとの友好関係を嫌い、仮に侵攻があれば「パルチザンとして戦い続ける」と断言している。
ところで、ここにきて、ロシアの侵攻の有無を占ううえで、とても重要なことがロシア内で起きているが、世界の大手メディアは、この件に一切触れていない。
それは、1月31日に「全ロシア将校協会」のHPに「ウクライナ侵攻をやめること」と「プーチン辞任」を要求する「公開書簡」が掲載されたのです。
レオニド・イヴァショフ退役上級大将が書いたもので、彼は、「個人的見解ではなく、全ロシア将校協会の総意だ」としている。
ちなみにイヴァショフ氏は、もともとかなり保守的で、これまでプーチン政権を支持してきた。国営のテレビ番組にもしばしば登場し、著名で影響力のある人物だそうだ。
問題の書簡には、何が書かれているのか?
< 全体として、戦略的安定性は維持されており、核兵器は安全に管理されており、NATO軍は増強しておらず、脅迫的な活動をしていない >
<ソ連崩壊の結果ウクライナは独立国になり、国連加盟国になった。そして、国連憲章51条によって、個別的自衛権、集団的自衛権を有する。つまり、ウクライナにはNATOに加盟する権利があるのだ>
(ロシアは、ウクライナを自分の勢力圏にとどめておきたい。どうすれば、そうすることができたのか?について)
<ロシアの国家モデルと権力システムが魅力的なものである必要があった。しかし、ロシアは魅力的なシステムを作ることができなかったので、ウクライナは、欧米に行ってしまった>
<世界のほとんどの国がクリミアを今もウクライナ領と認識している。このことは、ロシア外交と内政の失敗をはっきりと示している>
イヴァショフ氏は、以上のような認識を示し、ロシアのウクライナ侵攻に反対し、その具体的理由も述べている。
第1に、国家としてのロシアの存在を危ういものにする。
第2に、ロシア人とウクライナ人を永遠の敵にしてしまう。
第3に、ロシアとウクライナの若くて健康な男性が、数万人亡くなる。
こうした認識を持ちながらも、イヴァショフ氏は、NATOが結局、ウクライナ側に立ち、ロシアに宣戦布告し、ロシア軍はNATO軍と戦うことになると予測している。(なんだか、ここにきてプーチンと同じ予測になっていますね~。)
そして、ウクライナ侵攻の結果については。
< ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう >
要するに、イヴァショフ氏と全ロシア将校協会は、「長期的に見ればロシアは必ず負けるから」戦争に反対しているわけで、公開書簡は、「ウクライナ侵攻をやめること」だけでなく、「プーチン辞任」も要求しているらしい。
彼らは、『プーチンと側近が、ウクライナ侵攻はロシアに悲惨な結果をもたらすことを理解している』とみている。
そのうえで、『ロシアは現在、深刻なシステム危機に陥っている。しかも、ロシアの指導者たちは、国をシステム危機から救うことができないことを理解している。システム危機が続くことで、いずれ民衆が蜂起し、政権交代が起こる可能性が出てくる』と言っている。
さらに、ウクライナに侵攻すれば、「戦争は、しばらくの期間、反国家的権力と、国民から盗んだ富を守るための手段」として目くらまし効果を持ち続ける、との予測を示している。
以上のような見解から、将校協会から見ると、「ウクライナ侵攻」は、プーチンが「自分の権力と富を守るためだけの戦争」なので認められないわけです。
長々と書いてきたが、今回のウクライナ問題は、ある側面から見ると、22年を超えるプーチン政権の落日の始まりと言えると思います。
一方で、国際紛争の多くは、上記のようなロシアの内情を報道しない西側の思惑など、様々な角度からの陰謀術数が働いての結果であり、今回のウクライナ緊張がどのように動くか素人の予測が入る余地はない。(ロシアの内情を報道しないことで、緊張状態を維持し続け、どのような利益を得続けようというのでしょうか。)
ただ、世界の指導者たちの身の保全・利益の保全のために、多くの市民を不安に陥れるような愚かな選択だけは避けていただきたい。(以上の記事は、「全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…! キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない:現代ビジネス、2/16(水)」等を参考としています。)
今日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
今日一日が、皆様にとりまして、素晴らしい一日となりますようお祈りいたします。
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<2月18日の誕生花>
花言葉:持続、未来への憧れ、エキゾチック
<画像は、ネットからお借りしています>