江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

おどろおどろしいネットニュースのタイトル

 

 

皆さん、お早うございます。

 

 

五島地方、今日は、晴れ空でスタートです。

 

 

ブログ記事を毎日アップしようとすると当然困るのが、ネタ。

 

 

 

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新鮮で、うまみがあって、コスト面で無理をせず手に入るネタ。

 

 

そこで、良く利用させていただいているのが、ネットニュース。

 

 

26日も何気にネットニュースのタイトルを眺めていると、とっても、おどろおどろしいタイトルが目に付きました。

 

 

<恐ろしい…日本で「働かない15歳~39歳」が急増しているワケ>

GOLD ONLINE、1/26(水) 9:31配信

恐ろしい…日本で「働かない15歳~39歳」が急増しているワケ(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース

 

 

何が「恐ろしい」のか気になり読んでみると・・・・。

 

 

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少子高齢化が進む日本社会。新型コロナ感染拡大により先の見えない日々が続くなか、現役世代の間では、「学校にも行かず、働いてもない」人々が増加しています。内閣府の調査より見ていきましょう。

日本の「若年無業者」の実態

この項の内容は、ほぼ、内閣府『子供・若者白書』(令和3年6月)からの抜き書き。

内容省略。

若年層の引きこもりは「54.1万人」

ここも同じです。省略。

で、記事の締めの言葉は、次のようになっています。

たとえば、「地域若者サポートステーション」。働くことに悩みを抱える15~49歳の方の相談に乗ったり、コミュニケーション訓練をしたりする支援です。企業の就労体験をすることもできます。

通称「サポステ」は全国各地に設置されています。働き方、生き方について、悩みを抱える当事者・家族・関係者への支援の輪が、さらに広がっていくよう、社会全体の協力が求められています。

<赤文字部分は、ワシの言葉です。>

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なんのことはない「サポステ」を紹介するだけの記事でした。

 

 

その割には、「恐ろしい」「働かない」などのタイトルは、胡散くささを通り越して、実情を捻じ曲げる効果の方が大きいような気がします。

 

<恐ろしい>

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<働かない>

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「恐ろしい」「働かない」と言う言葉の向かう先には、「恐ろしい人・もの」「働かない」が想起されてしまう。

 

 

プロの書き手が、その程度のことは理解しているはずだ。

 

 

そこをあえて使っているということは、書き手とこの会社の発信意図があるのだろう。

 

 

ところで、この記事の元となっている内閣府が公表している『子供・若者白書』とはどのようなものなのか。項目だけ紹介しますね。

 

 

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令和3年版 子供・若者白書

令和3年版 子供・若者白書(全体版)(PDF版) - 内閣府 (cao.go.jp)

1章 子供・若者育成支援施策の総合的な推進

 第1節 「子ども・若者育成支援推進法」の成立・施行

 第2節 「子ども・若者育成支援推進法」に基づく大綱の策定

 特集 新たな「子供・若者育成支援推進大綱」の策定

2章 全ての子供・若者の健やかな育成

 第1節 自己形成のための支援

 第2節 子供・若者の健康と安心安全の確保

 第3節 若者の職業的自立、就労等支援

 第4節 社会形成への参画支援

3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援

 第1節 子供・若者の抱える課題の複合性・複雑性を踏まえた重層的な支援の充実

 第2節 困難な状況ごとの取組

 第3節 子供・若者の被害防止・保護

4章 創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援

 第1節 グローバル社会で活躍する人材の育成

 第2節 イノベーションの担い手となる科学技術人材等の育成

 第3節 地域づくりで活躍する若者の応援

 第4節 国際的に活躍する次世代競技者、新進芸術家等の育成

5章 子供・若者の成長のための社会環境の整備

 第1節 家庭、学校及び地域の相互の関係の再構築

 第2節 子育て支援等の充実

 第3節 子供・若者を取り巻く有害環境等への対応

 第4節 多様で柔軟な働き方の推進

 第5節 子供・若者育成支援への投資の促進

6章 子供・若者の成長を支える担い手の養成・支援

 第1節 データ共有による新たな担い手の確保

 第2節 地域における多様な担い手の養成

 第3節 専門性の高い人材の養成・確保

 第4節 情報通信技術を活用した担い手の支援

第7章 施策の推進体制等

 第1節 子供・若者に関する実態等の把握、知見の集積と共有

 第2節 広報啓発等

 第3節 国際的な連携・協力

 第4節 施策の推進等

子供・若者インデックスボード

 子供・若者の意識

II 子供・若者及び子供・若者を取り巻く状況

III 満足度・生活の質を表す指標群(ダッシュボード)

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引用するには長すぎましたね。^^;

 

 

この白書の中には、興味のある事柄も色々と掲載されています。

 

 

例えば、次のような項目には、とても引き付けられました。

 

 

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15~39歳の若年無業者の数は、令和2年で87万人であり、15~39歳人口に占める割合は2.7%であった(第 3-3 図)。総務省が平成29年10月に実施した調査では、就業希望の若年無業者が求職活動をしていない理由として、病気・けがや勉強中の者を除くと、「知識・能力に自信がない」、「探したが 見つからなかった」、「希望する仕事がありそうにない」といった回答が見られる(第 3-4 図)。

令和3年版 子供・若者白書(全体版)(PDF版) (cao.go.jp)

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若年無業者は、87万人とのことですが、平成27年の調査時は75万人だったので10万人余りが増加したということになります。

 

 

質問項目の一つ、「なぜ働かないのか?」に対する回答では、全年齢で最も多かったのは「病気・けがのため」33.5%。 そして「知識・能力に自信がない」11.8%だったそうです。

 

 

つまり、約45%の若者たちは、それなりの理由があり働けないのであって、決して「働かない」のではない。他にも、「探したが見つからなかった」と言うのもある。

 

 

にもかかわらず、「働かない」と強調する意味があるのか。

 

 

さらには、「恐ろしい」とは、どこからくる言葉なのか。

 

 

わからない。

 

 

シカリさんとしては、回答の一つ「知識・能力に自信がない」に11%の若者たちが回答していることが気になりました。

 

 

一度は、働いたにもかかわらず、何らかの支障が生じ、退職したのか、あるいは休職しているのか。

 

 

それぞれの職場には、若者たちをフォローする体制はなかったのでしょうか。

 

 

キャリアアップするシステムは作られてなかったのでしょうか。

 

 

引き籠ったり働けない若者に注目するのは良いですけど、全てをその若者の資質や身近な環境のせいにするのは如何なものかと思います。

 

 

白書の第4章の項目を見れば、優秀な若者だけが未来を拓くという視点になっている。だから、若者たちが、そうなるように支援をしますよ、という方針だと思います。

 

 

裏返せば、そうでない若者たちが無業だったり、引きこもりだったり、と明らかに資質と身近な環境のせいにしています。

 

 

しかし、現代社会に見られる閉塞感などは、資質や身近な環境を超えたものがあるように感じる。

 

 

話しをネットニュースに戻して、さらに、記事としては「働けない」「引きこもり」によりどのような問題が生じているのかまで検証するぐらいはしてほしいものだ。

 

 

一か月ほど前、シカリさんは80代の女性から相談を受けました。

 

 

『もう、疲れました。老人ホームに入りたい。でも、二人の息子がいるので…』

 

 

もう、お判りでしょう。

 

 

いわゆる「8050問題」です。

 

 

この女性の御主人は早く亡くなり、一人で二人の精神障がいを持つ子どもの面倒を見てきたのです。

 

 

でも、もう限界を迎えたのでしょう。

 

 

シカリさんとしては、お母さんの健康を優先して老人福祉施設への案内と手続きを関係者に行ってもらっています。

 

 

次は、息子さん方の生活をどうするかの問題がありますが、そちらは、相談支援事業所がありますから、そちらに頑張ってもらうことになるでしょう。

 

 

このような現代日本の実態に触れることなく、国の統計を引用し、抽象的な言葉を並べ、挙句の果てには「恐ろしい」とか「働かない」とかの言葉を並べることは、そうした立場にある人々を差別し、社会からはじき出す行為に近い。

 

 

さらに、記事のタイトルには「・・・急増しているワケ」と書いているにもかかわらず、どこにもそのような「ワケ」に関する事実も検証された内容も記載されていない。

 

 

結果的に、差別と分断を助長するための記事でしかないと判断できます。(シカリさんは田舎者で、この幻冬舎と言う会社がどのような会社か知りませんが、少し危ない匂いがしますね。)

 

 

この会社には、猛省を促したいと思います。

 

 

同時に、皆さんもネタの仕入れ先にはご用心。^^;

 

 

 

今日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。

 

今日一日が、皆様にとりまして、素晴らしい一日となりますようお祈りいたします。

 

 

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<1月28日の誕生花>

カタクリ

花言葉:初恋、寂しさに耐える

<画像は、ネットからお借りしています>

 

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