江戸っ子でぃ

長崎県五島市に住む老人が、政治に関する愚痴などを書いています。

アフガニスタンにおいても国民を見捨てた菅政権の無能・無感覚・無慈悲。

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15日にタリバンがカブールを占拠して2週間が過ぎた。

 

アメリカ軍の撤退期限も二日後の31日と決まっている。

 

そのような中、現地、アフガニスタンにはいまだに少数の日本人と数百人の現地スタッフ(大使館、JICAなど)が国外退避を待っているという。

 

これまでの経過を長崎新聞の記事を基に整理すると、次のようになる。

 

 8月15日 タリバンがカブールを制圧

 8月17日 大使館の日本人スタッフ12人、英軍機でアラブ首長国連邦に脱出

 8月17日 「現地職員の退避させなくてよいのか」との意見が出るも菅総理無視

 8月20日 岸防衛大臣記者会見「自衛隊は派遣せず外務省が対応する」と説明

 8月22日 官邸で外務・防衛両省幹部参集の上協議。方針転換決定。

 8月23日 空自輸送機派遣を命令

 8月24日 政府は、空自輸送機及び政府専用機の派遣を決定

 8月26日 日本人一人とアフガン人14人をパキスタンへ輸送

 8月26日 空自輸送機は複数回カブールに着陸するも邦人らが到着せず

 

数年前、自衛隊の紛争地への救援派遣を可能にする法改正を議論する際に、『空港に集まれなかったらどうするのか』という疑問が出ていたが、自民党は議論をせず、自衛隊派遣を可能にすることだけ決めた。

 

その通りになってしまったではないか!(追記;シカリさんは、自衛隊の海外派遣は基本的に反対です。ただ、相手国の了承がある場合の今回のような邦人救出の方法としては有りだと思います。でも、無駄に混乱に巻き込まれるような事態は避けるべきと思います。)

 

いまだに現地に残る日本人と日本の活動に協力していた現地スタッフを救出できない日本。

 

何とも情けない。

 

何より、犯罪的と言えるのが、大使館職員の退避を決めた時に、他の日本人や現地スタッフの退避を政府として議論を深めていないということ。

 

一部からは、退避の必要性を訴える声が出たが、菅総理は「ほとんど関心がなかった」(政府関係者)というから驚きだよ。

 

もちろん、非常事態で対応が混乱するのは仕方ないにしても、もっと、危機感をもって、現地にいる人々の気持ちになって考えれば、こうした経過にはならないと思う。

 

政府の中には、「あと1日早ければ」という意見が出ているそうだが、実際は、6日早く決定できる機会はあったのに、決定どころか協議すらしていない。

 

ちなみに、韓国はカタールに避難していた大使館職員がアフガニスタンに戻って、バスを手配し、米軍人に同乗してもらい現地スタッフやその家族など400人の移送に成功している!!

 

紛争にしても、感染症にしても、先頭に立つ政治家たちの「異常を感じる能力」「異常を分析する能力」「国民に寄り添う心」「事態の糸口を見出す力」「瞬間的に動く力」がないと泥沼にはまり込むことは、これまでも経験してきたこと。

 

にもかかわらず、こうした事態が「普通」のように進行している日本。

 

一時的な感情ではなく、冷静に分析して自公政権の無能さ、無慈悲さの根深さを理解し、政治を変えることを覚悟しなければならない。

 

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タリバンと日本政府の交渉難航 自衛隊機などパキスタンで当面待機へ

毎日新聞、8/28(土) 18:50配信

 

 政府は27日、日本人1人をアフガニスタンの首都カブールの国際空港で航空自衛隊の輸送機に乗せ、隣国パキスタンに移送した。また政府関係者は、米国の要請を受けて、アフガン人14人を自衛隊機で退避させたことを明らかにした。自衛隊機による退避活動で外国人を移送するのは初めて。現地には少数の日本人のほか、大使館の現地スタッフらの多くが残っているとみられるが、31日の米軍の撤収期限は迫っており、退避活動は一層困難となる。

 

 共同通信によると、退避した日本人はカブール在住で、現地で自営業を営みながら共同通信カブール通信員を務める安井浩美さん(57)=京都府出身。また、政府関係者によると、26日には自衛隊機でアフガン人14人を移送した。

 

 外務省によると、アフガンには即時の退避を希望しなかったごく少数の日本人が残っているという。  

 

 政府は大使館、国際協力機構(JICA)の現地スタッフら、日本の現地活動に参加した外国人も退避対象者とし、「最大500人程度」と想定。23日にC130輸送機2機とC2輸送機1機、24日に政府専用機1機の派遣を決定した。だが、アフガンの実権を掌握したイスラム主義組織タリバンはアフガン国民の出国を禁止する方針を打ち出しており、日本政府とタリバンとの交渉は難航。外国人の退避対象者が空港にたどり着くのは困難な情勢が続いている。26日には空港近くで自爆テロが発生。自衛隊法が定める自衛隊の派遣要件の「安全な実施」を満たすのも難しくなっている。  

 

 政府は米軍が28日から撤収作業に入ることから、27日を事実上の自衛隊の活動期限とみていた。28日以降も現地に退避対象者が残ったため、現地に派遣した自衛隊輸送機と政府専用機計4機はパキスタンで当面待機させ、移送の機会をうかがう方針だが、見通しは立っていない。

 

 政府は15日にタリバンがカブールを制圧したことを受け、17日に大使館の日本人職員12人を英軍機でアラブ首長国連邦UAE)に退避させている。

 

 自衛隊機による在外邦人らの退避活動は今回で5回目。過去4回はイラクアルジェリアバングラデシュ南スーダンで行われたが、移送したのは日本人だけだった。【飼手勇介、畠山嵩、松浦吉剛】