「自殺のない社会、作って・・・お願い」って、誰にお願いしているの?
昨日の竹内結子さんの訃報には、ショックを受けた。
ファンと言うわけでもないが、ドラマやコマーシャルで日ごろから見ていた人だけに、なんだか、とても身近に感じていた人です。
しかも、自分の娘とほぼ同じ年代。とても、他人事とは思えない。
ワシ等が、その死について推測したところで何も生まない。なにせ、根拠が何もないのだから。
しかし、14才と生まれたばかりの子を残しての死は、何と言って良いか、とてつもなく切ない。
ただ言えるのは、最近続いている有名人の死は、確実に世相として社会に影響を与える。どこかで、自らの生について迷っている人々に影響を与えるだろうことは推測できる。
そうしたこと受けての記者会見での発言なんだろう。
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「自殺ない社会、作っていただけるようお願い」 官房長官 7月以降、増加に転じ
毎日新聞、9/28(月) 18:05配信
加藤勝信官房長官は28日の記者会見で、著名人を含む自殺の増加について「いろいろ悩みがある方が孤立することがないよう、温かく寄り添いながら見守っていただけるような社会を一緒に構築してほしい。それぞれが自殺のない社会を作っていただけるようにお願いしたい」と呼びかけた。
加藤氏は「7月以降、自殺者数の増加の兆しが見られ、多くの方が自ら尊い命を絶っているという現実を我々はしっかりと受けとめなければいけない」として「政府としても相談窓口の設置等にしっかり取り組みたい」と述べた。
新型コロナウイルスと自殺リスクの関係については「ステイホームとなると、なかなか他の人と接触しにくい状況もあり、うつなどになりがちだという指摘もある。政府としてはSNSを含め、相談窓口をさまざま用意しており、活用してほしい」と話した。
警察庁と厚生労働省によると、今年の自殺者数は前年比で7月から増加に転じた。8月は1849人(速報値)に上り、前年の同じ時期より246人増えた。
著名人では、今年7月に俳優の三浦春馬さん(30)が、今月は女優の芦名星さん(36)、竹内結子さん(40)がそれぞれ自宅で亡くなり、いずれも自殺とみられている。【佐藤慶】
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「・・・それぞれが自殺のない社会を作っていただけるようにお願いしたい」とは、一体、どういう意味でしょうか?
誰にお願いしているんですか?
「あんたたちで、困っていることがあったら、相談し合って、自殺がないようにして下さい」ってことですか?
相談窓口は設けていると言っていますけど、「それぞれが」頑張りなさいって、それが「自助・共助」ですか。
多くの国民が、ワシのように竹内さんの死で少なからずショックを受けているときに、この内容の会見。なんと、冷たい政権なんでしょうか。
もちろん、人の生死を全て政府で何とかなるとも思わないし、地域のつながりを強めれば、ひょっとしたら自死が減るかもしれないことも否定しませんよ。
ところで、日本の自殺の原因の順位は、1位 健康問題、2位 不詳、3位 経済・生活問題、4位 家庭問題、5位 勤務問題などとなっているんですが、「自助・共助」でどこまで対応できると思っているんでしょうか。
新型コロナ不況で賃金が引き下げられたり、離職したり、不安定な生活から健康を害したり、さらに、家庭内も不安定になり、などという影響もあるのかもしれません。
以前からの問題がこじれこじれ、ついに死を選ぶ人が増えているのかもしれません。
その原因の多くは、ワシら国民で何とか出来ることとは思えません。共助と言っても、そうした繋がりはとおの昔に切れている地域がほとんど。
共助を強めようと試みることは悪いことではありません。しかし、もっと現実を踏まえて発言していただきたい。
この官房長官は、前は厚労大臣をしていましたよね。
日本の自殺対策の総本部ですよね。そこのトップを務めていた人が、このような発言をして良いんでしょうか?
この発言の真意は、「政府としては、どうしようもないんだから、あんたたちで何とかしなさいよ」ってことでしょう?
つまり、政府としては、もうサジ投げたってこと?
じゃあ、政権を降りることですね。